住宅ローンの支払いが困難になっても、自宅に住み続けるための方法は複数存在します。 決して手遅れではありません。
大切なのは、問題を放置せず、早い段階で行動を起こすことです。
本記事では、返済に困った時に検討すべき「リスケジュール」「公的支援制度の活用」「リースバック」という3つの主要な選択肢を詳しく解説します。
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目次
住宅ローンが払えない場合でも自宅に住み続ける4つの方法
住宅ローンが払えなくなっても、自宅に住み続けるための方法は主に以下の4つです。
- リスケジュール
- 公的支援制度の活用
- 親族間売買
- リースバック
1. リスケジュール(返済条件変更)
リスケジュールとは、現在借り入れている金融機関に相談し、住宅ローンの返済条件(期間や金額など)を見直してもらう方法です。
具体的には、毎月の返済額を一時的に減らすために返済期間を延長したり、一定期間元金の返済を据え置いて利息のみの支払いに変更したり、あるいは金利タイプを変更するといった調整を行います。
これにより、一時的に返済の負担を軽減し、家計を立て直す時間を得ることが目的です。金融機関は、債務者の破産や競売よりも、リスケジュールを通じて長期的に債権を回収することを望む場合が多いです。
メリット
- 自宅に住み続けられる
住宅ローンの契約自体は継続するため、自宅を失うことなく住み続けられます。 - 金融機関との関係を維持しやすい
無断で滞納するのではなく、事前に相談することで、金融機関との良好な関係を保ちやすくなります。 - 競売を回避できる可能性が高まる
債務者が返済の意思を示し、具体的な計画を提示することで、金融機関も競売という最終手段を回避する方向で検討してくれます。 - 手続きが比較的簡便
他の選択肢に比べて、裁判所を介するような複雑な法的手続きが不要な場合が多いです。
デメリット
- 総返済額が増える可能性がある
返済期間を延長したり、元金据え置き期間を設けたりすると、その分利息の支払いが増えるため、最終的な返済総額は増加します。 - 審査に通らない場合がある
金融機関の審査基準によっては、リスケジュールが認められないこともあります。特に、滞納期間が長引いている場合や、再建の見込みが低いと判断された場合は難しいでしょう。 - 信用情報に影響が出る可能性
リスケジュール自体が直接信用情報に記録されることは通常ありませんが、リスケジュールに至るまでの滞納記録や、リスケジュール後の返済状況によっては信用情報に影響が出る可能性があります。
2. 公的支援制度の活用
住宅ローンの支払いが困難な場合、国や地方自治体が提供する公的な支援制度を活用することも有効な選択肢です。これには、住宅金融支援機構が提供する住宅ローンの返済が困難になった際の返済方法変更の相談(特定の住宅ローン利用者に限る)や、生活困窮者向けの「生活福祉資金貸付制度」などがあります。
これらの制度は、直接住宅ローンを減免するものではなく、生活費や住居確保に必要な資金を貸し付けることで、家計全体を安定させ、間接的に住宅ローンの支払いを継続できるようサポートすることを目的としています。
メリット
- 低利または無利子での借り入れ
制度によっては、非常に低い金利や無利子で資金を借りられる場合があります。 - 生活の立て直しを支援
住宅ローンの問題だけでなく、生活費全般の困窮を解決するための支援を受けられる可能性があります。 - 自宅に住み続けられる可能性
家計が安定することで、住宅ローンの返済を継続し、自宅を維持できる道が開けます。
デメリット
- 利用条件が限定的
所得制限、世帯構成、資金使途など、各制度に厳しい利用条件が設けられています。誰もが利用できるわけではありません。 - 審査に時間がかかる場合がある
申請から資金受給までに時間がかかることがあり、緊急の資金ニーズには対応しきれない場合があります。 - 住宅ローンそのものを解決するものではない
これらの制度は、あくまで生活費の支援や、特定の住宅ローンの返済条件変更をサポートするものであり、住宅ローンそのものの債務を減額・免除するものではありません。
3. 親族間売買
親族間売買とは、住宅ローンの残っている自宅を、親や兄弟姉妹などの親族に売却する方法です。通常の不動産売買契約と同様に手続きを進めますが、売買相手が親族であるため、競売よりも柔軟な条件で売却を交渉できる可能性があります。
売却後は、自宅の所有権は親族に移りますが、売却した本人がその親族と賃貸契約を結び、そのまま自宅に住み続けることができる場合が多いのが特徴です。これにより、所有権は失うものの、実質的に住環境を維持することが可能になります。
メリット
- 自宅に住み続けられる
賃貸契約を結ぶことで、住み慣れた自宅にそのまま住み続けることができます。 - 競売を回避できる
親族間で合意ができれば、競売にかけられる前に問題を解決できます。 - プライバシーが守られる
競売のように情報が公開されることがないため、周囲に住宅ローンの問題を抱えていることを知られにくいです。 - 柔軟な条件設定が可能
親族間であるため、売却価格や賃料、買い戻しの可能性などについて、通常の取引よりも柔軟な交渉が期待できる場合があります。
デメリット
- 金融機関の同意が不可欠
住宅ローンが残っている場合、親族への売却であっても金融機関の同意(抵当権抹消の合意)が必須となります。市場価格より著しく低い価格での売却は認められないことが多いです。 - 贈与税のリスク
不動産の評価額より著しく低い価格で売却した場合、税務署から差額分が贈与とみなされ、贈与税が発生するリスクがあります。適正な価格設定が重要です。 - 親族間のトラブルリスク
金銭が絡むため、親族間での条件合意や将来的な関係性においてトラブルが発生する可能性があります。 - 所有権の喪失
自宅の所有権は親族に移るため、将来的に売却や担保としての活用はできなくなります。
4. リースバック
リースバックとは、現在お住まいの自宅を専門のリースバック会社や投資家などに売却し、同時にその買主と賃貸借契約を締結することで、売却後もそのまま自宅に住み続ける方法です。
売却で得た代金で住宅ローンを完済し、残った資金を生活費や再建費用に充てることが可能です。
所有権は手放しますが、住み慣れた環境を維持できるという点が最大の魅力です。
自宅の売却と賃貸がセットになった金融サービスとして提供されています。
メリット
- 自宅に住み続けられる
所有権は移転しますが、引っ越しをせずに住み慣れた自宅で生活を継続できます。 - まとまった現金が手に入る
売却代金によって住宅ローン残債務を一括で清算でき、さらに手元にまとまった資金を残せる可能性があります。 - 競売を回避できる
一般市場での売買となるため、競売による安値売却や、自宅が競売物件として情報公開されることを避けられます。 - 所有者としての負担がなくなる
売却後は賃借人となるため、固定資産税や都市計画税、マンションの管理費・修繕積立金などの所有者としての負担がなくなります。 - 将来的な買い戻しの可能性
契約によっては、将来的に経済状況が改善した場合に、売却した自宅を買い戻せるオプションを設定できる場合があります(ただし、買い戻し価格は売却時よりも高くなるのが一般的です)。
デメリット
- 売却価格が市場価格より低めになる傾向
リースバックの買主は賃料収入を得る投資目的もあるため、通常の不動産売却よりも、市場価格の7〜9割程度といった低い価格になることが多いです。 - 毎月家賃が発生する
売却後は賃貸となるため、毎月家賃の支払いが発生します。この家賃設定が、周辺相場より高めに設定されるケースもあります。 - 所有権を失う
自宅の所有権は買主に移転するため、将来的に担保として活用したり、自由にリフォームしたりすることはできなくなります。 - 将来的な退去リスク
賃貸借契約の種類によっては、買主の都合で更新が拒絶されたり、契約期間満了時に退去を求められたりするリスクがあります。 - 手数料・諸費用の発生
売却時の仲介手数料、印紙税などの諸費用が発生します。
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売却後も住み続ける方法「任意売却+リースバック」
売却後も自宅に住み続ける方法として、「任意売却」と「リースバック」を組み合わせる方法があります。
これは、競売を回避しながら、経済的な立て直しを図りつつ、自宅に住み続けることを可能にする現実的な道筋です。
任意売却とは?
まず、任意売却は、住宅ローンを滞納し、競売の危機に瀕している状況で、債権者(金融機関など)の合意を得て、市場で一般的に不動産を売却する手続きです。
競売が市場価格よりも大幅に低い価格で売却される傾向があるのに対し、任意売却では通常の不動産取引と同様に買主を募るため、より市場価格に近い適正な価格での売却が期待できます。
これにより、残債務をできるだけ少なく抑えたり、場合によっては売却代金から引越し費用などを捻出できる可能性も出てきます。競売とは異なり、情報が公開されにくいため、プライバシーも守られます。
リースバックとは?
次に、リースバックとは、自宅を第三者(リースバック会社や投資家など)に売却した後も、その買主と賃貸借契約を結び、毎月家賃を支払うことで、そのまま自宅に住み続けることができるサービスです。
所有権は売却した買主のもとに移りますが、住環境は変わらず維持できる点が最大の特徴です。
このリースバックを、任意売却の買い手を見つける手段として活用することで、「自宅を売却してローン問題を解決する」と「自宅に住み続ける」という二つの目的を同時に達成できます。
「任意売却+リースバック」の仕組み
この二つを組み合わせると、以下のような流れになります。
- まず、住宅ローンを滞納している状況で、金融機関(債権者)に対し任意売却の相談をします。
- 同時に、リースバックを専門とする不動産会社などに相談し、自宅を任意売却で買い取ってくれる買主(リースバック会社など)を探します。
- 買主が見つかり、売却価格や賃料、賃貸期間などの条件で債権者も交えて合意形成を行います。
- 合意後、債権者の同意を得て、自宅を任意売却としてリースバック会社などに売却します。この売却代金で住宅ローンは完済されます。
- 売却と同時に、あなたは買主であるリースバック会社と賃貸借契約を締結し、売却後も家賃を支払うことで、自宅に住み続けることができます。
「任意売却+リースバック」のメリット
- 住み慣れた自宅を維持できる
引っ越しや住環境の変化に伴うストレスを避けることができます。 - 住宅ローンの重荷から解放される
売却代金でローンを完済できるため、返済のプレッシャーから解放され、生活を立て直す新たなスタートを切れます。 - 競売を回避できる
自主的な売却となるため、裁判所主導の競売による安値売却や、情報公開のリスクがなくなります。 - プライバシーが守られる
通常の不動産取引に近い形なので、周囲に住宅ローンの問題を抱えていることを知られにくいです。 - まとまった資金が得られる場合も
ローンを完済しても売却代金が残れば、引越し費用や当面の生活費に充てることができます。
「任意売却+リースバック」の注意点
「任意売却+リースバック」は非常に有効な手段ですが、注意すべき点もあります。
- 売却価格は市場価格より低めになる傾向
リースバックの買主は投資目的もあるため、通常の市場価格よりも売却価格が低くなる傾向があります。 - 家賃の発生
売却後は賃貸となるため、毎月家賃の支払いが発生します。この家賃が、周辺の賃貸相場より高めに設定されるケースもあります。 - 所有権の喪失
自宅の所有権は買主に移るため、将来自宅を担保にしたり、自由にリフォームしたりすることはできなくなります。 - 買主の選定が重要
信頼できるリースバック専門業者を選ぶことが非常に重要です。業者選びを間違えると、不利な条件を提示されたり、トラブルに発展したりするリスクがあります。
任意売却とリースバックは専門的な知識と交渉力が求められるため、住宅ローン問題の解決実績が豊富な専門業者に相談し、メリット・デメリットを十分に理解した上で検討を進めることを強くおすすめします。
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まとめ:住宅ローンが払えない場合は早めに専門家に相談
住宅ローンの支払いが困難になっても、自宅に住み続ける道はあります。
リスケジュールで返済負担を軽減し、公的支援制度で生活を立て直し、親族間売買やリースバックで所有権は手放しても住み慣れた家で生活を継続できます。
何よりも大切なのは、問題を放置せず、早期に行動を開始し、信頼できる専門家へ相談することです。
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