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任意売却の基本

任意売却の際、連帯保証人への影響はある?注意点を解説

任意売却の際、連帯保証人への影響はある?注意点を解説

任意売却を検討しているけれど、連帯保証人への影響が心配…。そんな不安を抱えていませんか? 

任意売却は債務者だけでなく、連帯保証人にも大きな関わりを持つ手続きです。

この記事では、任意売却が連帯保証人に具体的にどのような影響を与えるのか、そして連帯保証人が注意すべきポイントを徹底解説します。

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住宅ローンで連帯保証人は不要!

住宅ローンでは、原則として連帯保証人は不要です。これは、融資の対象となる土地や建物に抵当権が設定されるためです。万が一、ローンの返済が滞った場合でも、金融機関はこの抵当権を実行することで貸付金を回収できる仕組みになっています。

連帯保証人が必要となる主なケース

原則として不要な連帯保証人ですが、特定の状況下では求められることがあります。

1. 収入合算で借り入れする場合

収入合算は、ご自身の収入に加え、配偶者や親などの近親者の収入を合わせて審査する方法です。この場合、ローンは一本にまとめられ、収入合算者が連帯保証人となります。

注意点として、団体信用生命保険(団信)は主契約者のみが対象となることが多く、連帯保証人の方に万が一のことがあっても、ローンの残債は原則として残ります。

2. ペアローンで借り入れする場合

ペアローンは、夫婦や親子がそれぞれ個別の住宅ローンを組む方法です。この場合、ローンは二本立てとなり、金融機関によってはお互いが互いの連帯保証人となるケースがあります。

ペアローンでは、それぞれが住宅ローン控除や団信の保障を受けられるメリットがあります。しかし、一方が亡くなった場合でも、もう一方のローンは残るため、返済は継続されます。団信の保障は、あくまでご自身が組んだローンに対してのみ適用されるのが一般的です。

「任意売却」が連帯保証人に与える影響

「任意売却をすると連帯保証人に迷惑がかかるのでは?」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。

ここでは、任意売却が連帯保証人に与える影響について、詳しく見ていきましょう。

住宅ローン滞納開始から任意売却までの連帯保証人の立場

「任意売却をすると連帯保証人に迷惑がかかる」と捉えられがちですが、実際には、住宅ローンの支払いが滞った時点で、金融機関から連帯保証人へ支払いの督促状が送付されることが一般的です。

したがって、ローンを滞納した段階で、既に連帯保証人への影響は避けられないと言えるでしょう。

住宅ローン契約における連帯保証人は、単なる保証人とは異なり、債務者(ローン契約者)とほぼ同等の責任を負います。もし債務者がローンの返済を滞った場合、「まずは債務者に請求してほしい」「債務者の財産から先に回収してほしい」といった主張(催告の抗弁権や検索の抗弁権)をすることができません。

つまり、金融機関はローンの返済が滞った時点で、すぐに連帯保証人に対して残債の一括返済を求めることができるのです。

もし連帯保証人も返済に応じられない場合、最終的には担保となっている自宅が競売にかけられることになります。理論上、債権者は連帯保証人の資産を差し押さえることも可能ですが、住宅ローンのケースでは、競売によって債権を回収する流れが一般的です。

自己破産した場合の連帯保証人への影響

住宅ローンなどの債務を整理する方法の中で、連帯保証人にとって最も負担が大きいのは自己破産です。たとえ主たる債務者が自己破産によって借金の支払い義務を免除されたとしても(免責決定)、連帯保証人の返済義務は自動的に消滅するわけではありません。結果として、残りの債務は全て連帯保証人に一括で請求されることになるのです。

一方、任意売却を選択した場合、売却後の残債額は大幅に減少するため、もしその後自己破産を選択せざるを得なくなったとしても、連帯保証人に降りかかるな負担は格段に軽減されます。

任意売却は連帯保証人にもメリットがある

任意売却は、連帯保証人にとっても大きなメリットを持つ債務整理の手段と言えます。なぜなら、任意売却が完了した後、残った債務について債権者と協議し、任意整理を行うことが可能になるからです。

住宅ローンの債権者は、通常、任意売却後の残債務について強硬な回収手段を取ることは稀です。債務者の経済状況を理解しているため、月々の支払額を抑えたり、遅延損害金の減免に応じたりするケースも少なくありません。

ただし、任意整理を行うには、債務整理に関する専門的な法律知識が不可欠です。そのため、司法書士や弁護士といった法律の専門家のサポートが必要となります。任意売却を依頼する不動産会社を選ぶ際には、これらの法律専門家と連携しているかどうかを確認することが非常に重要です。

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任意売却に連帯保証人の同意や協力は必要?

前項では、任意売却が連帯保証人に与える影響について解説しました。ここでは、任意売却を進める上で、なぜ連帯保証人の同意が必須となるのか、その背景にある法的根拠、具体的な手続き、そして同意を得る際の注意点について詳しく掘り下げていきます。

任意売却には連帯保証人の同意が必要

任意売却を進める上で、原則として連帯保証人の同意は必須となります。

なぜなら、連帯保証人が主債務者と同等の返済義務を負うからです。
つまり、主債務者が返済できなくなった場合、連帯保証人が代わりに全額を返済する義務があるのです。

任意売却では、売却後もローン残債が残るのが一般的です。この残債は売却後に主債務者と連帯保証人が引き続き返済しなければならない借金として残ります。

したがって、債権者は連帯保証人の了解(=同意)なしには売却を認めないのです。

連帯保証人に黙って任意売却はできるのか?

原則として、連帯保証人に無断で任意売却を進めることはできません。金融機関は、必ず連帯保証人の同意を求めます。

もし、どうしても連帯保証人の同意を得ずに不動産を売却したいのであれば、売却時に住宅ローン残債を一括で完済するしか方法はありません。しかし、ローンの返済が困難になっている状況で、一括完済は現実的な選択肢とは言えないでしょう。

したがって、ローンを滞納し、任意売却を検討する段階で、連帯保証人が同意しない場合や、認知症などで意思能力がない場合は、任意売却自体が頓挫してしまう可能性があります。

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連帯保証人の同意が得られないとどうなる?

連帯保証人が任意売却に同意しない場合は、以下のような結果になる可能性があります。

1. 任意売却の断念と競売への移行

金融機関は、債権を回収するために、最終的には担保不動産の競売手続きを開始する可能性が高まります。連帯保証人の同意が得られない場合、金融機関は法的な手続きに則って債権回収を進めることになります。

競売は、市場価格よりも大幅に低い価格で落札されることが多く、結果として残債務が大きく膨らむ可能性があります。これは、主債務者だけでなく、連帯保証人にとっても負担が増加することを意味します。

2. 連帯保証人への一括返済請求

金融機関は、任意売却が進められない場合、連帯保証人に対して残債務の一括返済を求める可能性が高まります。

連帯保証人は、自身の資産(預貯金、不動産など)を処分して返済に充てなければならない状況に追い込まれてしまいます。

3. 法的手続きによる債権回収

連帯保証人が一括返済に応じられない場合、金融機関は法的措置(訴訟、強制執行など)を講じて債権回収を図る可能性があります。

これにより、連帯保証人の財産が差し押さえられるリスクが生じます。

4. 連帯保証人の自己破産:

連帯保証人が多額の債務を抱え、返済の見込みがない場合、最終的に自己破産を選択せざるを得なくなる可能性もあります。

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連帯保証人への連絡と同意を得る手続き

住宅ローンの支払いが滞った場合、金融機関は通常、以下の流れで連帯保証人に連絡を取ります。

  1. 主債務者への督促
    まず、金融機関は住宅ローンの契約者(主債務者)に対して、電話や書面で支払いの督促を行います。
  2. 連帯保証人への状況連絡
    主債務者からの入金がない場合や、状況が改善しないと判断した場合、金融機関は連帯保証人に対して、ローンの滞納状況を連絡します。この時点では、まだ支払いを直接求めるというよりは、状況を把握してもらうことが目的の場合が多いです。
  3. 連帯保証人への支払い要請
    滞納が長期間に及ぶと、金融機関は連帯保証人に対して、主債務者に代わってローンの支払いを求めるようになります。これは、書面(督促状や催告書)で正式に行われることが一般的です。
  4. 任意売却の提案・相談
    主債務者がローンの返済を継続することが難しいと判断された場合、金融機関から主債務者と連帯保証人双方に対して、競売を避けるための手段として任意売却が提案されることがあります。
    この際、任意売却の手続きや条件、連帯保証人の同意の必要性などが説明されます。
  5. 任意売却手続きにおける協力要請
    任意売却の手続きが進む段階では、不動産業者や金融機関の担当者から連帯保証人に対して、物件の状況確認や売却活動への協力、必要書類への署名などが求められます。
  6. 売却後の残債務に関する説明
    任意売却が完了し、残債務が確定した後、金融機関から主債務者と連帯保証人双方に対して、残債額や今後の支払い方法について説明が行われます。

最も重要なポイントは、住宅ローンの返済が困難になった時点で、速やかに連帯保証人にその状況を伝えることです。
住宅ローンの連帯保証人が、元配偶者や長年連絡を取っていない親族であるケースは少なくありません。

このような場合、連絡を取ることに心理的な抵抗を感じるかもしれませんが、事態が悪化する前に必ず連絡を試みるべきです。金融機関から突然連絡がいくのではなく、事前に主債務者から状況を報告するなど、連帯保証人への配慮が大切です。

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連帯保証人から外れたい場合

結論から申し上げますと、一度連帯保証人になると、原則としてその責任から逃れることはできません。

連帯保証人をやめるための現実的な方法は、以下の2つに限られますが、いずれも主債務者の資金状況が良好でない場合は実現が難しいと言えます。

  • 他のローンへの借り換えによる元のローンの完済
    もし主債務者の信用力が回復しており、新たなローンを組んで現在の住宅ローンを完済できるのであれば、連帯保証人の責任も同時に解消されます。
    しかし、ローンの返済が滞っている状況では、新たな借り入れは一般的に難しいでしょう。
  • 債権者(金融機関)の同意を得て、別の人物に連帯保証人を変更する
    金融機関が、現在の連帯保証人に代わる、より信用力の高い別の連帯保証人を認めた場合に限り、連帯保証人を変更することが可能です。
    しかし、金融機関は連帯保証人の変更に慎重であり、主債務者の資金状況が悪化している状況では、変更に応じる可能性は低いと言わざるを得ません。

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住宅ローンの支払いが困難になった際、任意売却は有効な手段ですが、連帯保証人との連携が不可欠です。

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