予期せぬ事態で、休職や無職になってしまい、住宅ローンが払えない場合でも、公的な制度を活用して経済的な負担を軽減することができます。
それでも住宅ローンが払えない場合は、金融機関への交渉や任意売却といった選択肢もあります。
この記事では、休職中や無職で住宅ローンが払えない場合の対処法について、解説します。
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目次
休職で住宅ローンが払えないケース
休職で住宅ローンが払えないケースとして、以下のような状況が考えられます。
- うつ病や適応障害、パニック障害など精神疾患による休職
- 身体的な病気やケガによる休職・入院
- 会社都合による休職
- 介護・育児による休職
いずれも、予期せぬ事態による収入減です。休職期間がどれくらい続くか、その間に収入がどうなるかによって、対処法も変わってきます。
休職が続き、最終的には退職し無職になる可能性もあります。
重要なのは、一人で抱え込まず、できるだけ早い段階で金融機関や専門家に相談することです。
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休職中に利用できる制度一覧
休職中に利用できる制度として、以下のようなものがあります。
- 住宅ローン返済支援保険
- 就業不能保険・所得補償保険
- 傷病手当金・労災保険の休業補償給付
休職によって収入が途絶えたり減少したりしても、生活費や住宅ローンといった固定費は容赦なく発生します。このギャップを埋め、経済的安定を保つための柱となるのが、特定の保険や公的制度です。
①住宅ローン返済支援保険
住宅ローンを組む際、金融機関から案内されることがあるのが、この住宅ローン返済支援保険です。
一般的な生命保険とは異なり、まさに住宅ローンの返済に特化した保険商品と言えます。
契約者が病気やケガで就業不能に陥った際、保険会社があなたの代わりに、一定期間(多くのプランで最長3年間が目安となります)住宅ローンの返済を代行してくれます。
これにより、ご自身の回復や再就職活動に専念する貴重な時間と経済的余裕が生まれます。
主に住宅ローンを提供している金融機関が窓口となります。
②就業不能保険・所得補償保険
個人で加入している就業不能保険や所得補償保険も、休職中の家計を支える上で重要な役割を果たします。
これらは、病気やケガで働けなくなった際の「収入減」そのものを補填することを目的とした保険です。
病気やケガが原因で長期間(例えば60日以上など、各社の定義による)仕事に就けない状態になった場合、毎月定額の給付金が支払われます。
これにより、生活費や住宅ローンといった固定費の支払いを継続できます。
働けなくなったことで失われる「所得」を補償し、ご自身やご家族の生活水準維持をサポートします。
多くの団信が「死亡」や「高度障害」を支払い条件とするのに対し、これらの保険は「働けない状態」に焦点を当てています。
つまり、死亡や高度障害に至らなくても、療養などで収入が途絶えた場合に生活を守るための、より日常に近いリスクに対応しています。
③傷病手当金・労災保険の休業補償給付
会社員の方であれば、休職中の収入減を補う公的な制度として、傷病手当金や労災保険の休業補償給付があります。これらは、健康保険や労働者災害補償保険から支払われるものです。
傷病手当金
業務外の病気やケガ(うつ病などの精神疾患を含む)により休職し、会社から給料が支払われない場合に、健康保険の被保険者とその家族の生活を保障する制度です。
業務外の事由であること、仕事に就けないこと、連続する3日間を含む4日以上仕事に就けないこと(待期期間)、給与の支払いがないこと、などが主な条件です。
給料1日分の約67%(正確には「支給開始日以前12ヵ月間の標準報酬月額の平均額を30で割った額」の3分の2)が基本で、最長1年6ヶ月間支給されます。
労災保険の休業補償給付
業務中や通勤中に発生した病気やケガにより、仕事に就けなくなった場合に受け取れる給付金です。
通勤中の事故、職場のパワハラが原因の精神疾患で労災認定された場合などが該当します。
1日あたりの給付額は、給料1日分の約80%(休業補償給付60%+休業特別支給金20%)が目安となります。
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休職中や無職で住宅ローンを払えない場合の対処法
休職中や無職で住宅ローンを払えないときの具体的な対処法には、以下があります。
- 金融機関へ返済計画の変更が可能か相談する
- リバースモーゲージを利用する
- 自宅を売却する
休職期間がどれくらい続くか、回復の見込みはどうかによって、取るべき対策は異なります。重要なのは、状況に応じた最適な方法を選択し、迅速に行動することです。
①金融機関へ返済計画の変更が可能か相談する
休職により収入が減り、住宅ローンの返済が厳しくなったと感じたら、住宅ローンを借り入れている金融機関に、できるだけ早く「リスケジュール」の相談をしてください。
リスケジュールとは、住宅ローンの返済方法を変更し、現在の経済状況に合わせて返済計画を立て直すことです。
金融機関は、顧客が住宅ローンを滞納し、最終的に貸倒れになることを最も避けたいと考えています。
そのため、まだ滞納が浅い段階(例えば1〜2ヶ月以内)で相談すれば、柔軟な対応を検討してくれる可能性が高いです。
ただし、長期間にわたり住宅ローンの返済を滞納している場合、リスケジュールを認めてもらえない可能性が高まります。
金融機関は、滞納が続くと「期限の利益の喪失」という手続きを進め、残債務の一括返済を求めてきます。
そうなると、リスケジュールの交渉は極めて困難になるため、とにかく早めに相談することが、あなたの状況を好転させるための最重要ポイントです。
②リバースモーゲージを利用する
シニア世代(一般的に55歳以上など、金融機関によって年齢制限があります)で、休職により住宅ローンの支払いが困難になった場合、リバースモーゲージの利用が有効な対処法となるケースもあります。
リバースモーゲージとは、ご自宅を担保にして、自宅に住み続けながら、金融機関から生活資金を借り入れることができるサービスです。
借り入れたお金は、毎月の年金形式で受け取ったり、必要な時に一括で受け取ったりできます。
そして、契約者が亡くなった後、自宅を売却することで借入金を清算するのが一般的です。
住宅ローンの残債務がある場合でも、リバースモーゲージを利用して借り入れた資金で、住宅ローンを一括返済し、毎月の住宅ローン負担をなくすことが可能です。
これにより、毎月の支出の負担が大幅に軽くなり、休職中でも無理なく生活を維持できるでしょう。
リバースモーゲージは、高齢期の生活を支える非常に有効な手段ですが、注意点も存在します。
自宅の評価額によって借入可能額が変動する、金利変動リスクがある、また相続時にトラブルになる可能性なども考慮しなければなりません。
そのため、契約内容を十分に理解し、ご家族ともよく話し合い、慎重に検討することが大切です。
トラブルを避けるためにも、信頼できる専門家への相談をお勧めします。
③自宅を売却する
休職期間が長期化し、復職や再就職の見通しが立たず、住宅ローンの支払いが継続的に困難な状況が続くようであれば、自宅の売却を視野に入れることも、生活再建のための重要な選択肢となります。
自宅を売却して、家賃の安い賃貸住宅に引っ越すことで、毎月の固定費を大幅に削減し、経済的な基盤を立て直せる可能性は十分にあります。
自宅を売却する場合、ご自身の住宅ローン残額が、自宅の売却価格に対してどのような状態にあるかによって、売却方法が異なります。
アンダーローンの場合(通常の不動産売却)
アンダーローンとは、住宅ローンの残高が、ご自宅の売却価格を下回っている状態のことです。
例えば、ローン残高が5,000万円で、自宅が6,000万円で売れる場合です。
この場合、通常の不動産売却と同じ方法で自宅を売却し、売却代金で住宅ローンを完済できます。
余剰資金があれば、新しい生活の資金に充てることも可能です。
オーバーローンの場合(競売を避ける「任意売却」)
オーバーローンとは、ご自宅を売却しても住宅ローンの残高を完済できない状態です。
例えば、ローン残高が6,000万円なのに、自宅の売却価格が5,000万円にしかならない場合です。
この場合、通常の売却では自宅に設定されている抵当権(金融機関の権利)を抹消できないため、一般的な不動産売却の方法では自宅を売却することができません。
このオーバーローンの状況で、住宅ローンの滞納による「競売」を避ける方法として、私たちが専門としているのが「任意売却」です。
任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった際に、債権者(金融機関)の同意を得て、ご自身の意思で一般市場で自宅を売却するという方法です。
売却益を住宅ローンの返済に充て、残った債務については債権者と無理のない返済計画を交渉します。
競売は、市場価格よりも大幅に安い価格(5割〜8割減も珍しくありません)で自宅が強制的に売却されてしまうため、より多くのローン残債務が残りがちです。
任意売却は、通常の不動産取引と同様に仲介業者を通して行われるため、競売よりはるかに有利な価格で売却でき、結果的に残債務を最小限に抑えられます。
また、プライバシーが守られやすい、引っ越し費用を交渉できる可能性があるなど、多くのメリットがあります。
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まとめ
休職中や無職で住宅ローンの支払いが困難な場合でも、対処法はあります。
まず、傷病手当金などの公的給付や、就業不能保険といった個人加入の保険活用で、収入減を補填できる可能性があります。
それでも厳しい場合は、金融機関へのリスケジュール(返済条件変更)相談が重要です。最終手段として、競売を避けつつ自宅を売却する任意売却も選択肢となります。
一人で抱え込まず、早めに専門家へ相談することが、解決への第一歩です。
任意売却を成功させるためには、債権者との複雑な交渉、適切な売却価格の設定、迅速な買い手探しなど、専門的なノウハウと経験が不可欠となります。
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