住宅ローンの救済措置とは、住宅ローンの返済が困難になった際に、債務者(住宅ローンを借りている人)が金融機関や専門機関と協力して、状況を改善するための様々な対策を指します。
これらの措置は、住宅ローンの滞納が続き、最終的に自宅が競売にかけられることを防ぐ目的があります。
この記事では、住宅ローンの具体的な救済措置について詳しく解説します。
【実績5,000件以上】不動産会社×弁護士が任意売却をサポート! ≫
住宅ローンの主な救済措置と適用されるケース
住宅ローンの救済措置には、主に以下のようなものがあります。
- 返済条件の変更(リスケジュール)
- 借り換え
- 任意売却
- 住宅金融支援機構(フラット35)の返済特例
- その他の措置(債務整理など)
住宅ローンの救済措置:①返済条件の変更(リスケジュール)
これは最も一般的な救済措置で、現在借り入れている金融機関と相談し、返済条件を見直してもらう方法です。
返済条件の変更が適用される主なケースは、以下の通りです。
- 収入が減少した: 病気、会社の倒産、リストラ、転職、休業などで収入が大幅に減った場合。
- 一時的に出費が増えた: 家族の医療費、教育費など、予期せぬ大きな出費があった場合。
- ボーナスが減った/なくなった: ボーナス払いを設定しているが、ボーナスが減額または支給されなくなった場合。
具体的には、以下のような内容で返済条件の変更が検討されます。
- 元金据え置き: 一定期間、元金の返済を猶予し、利息のみの支払いにする。
- 返済期間の延長: ローンの返済期間を延ばして、月々の返済額を減らす。
- 毎月の返済額の減額: 金利や返済期間を調整して、毎月の返済額を減らす。
- ボーナス返済の見直し: ボーナス払いをなくしたり、金額を調整したりする。
住宅ローンの救済措置:②借り換え
現在よりも金利の低い住宅ローンに乗り換えることで、毎月の返済額や総返済額を減らす方法です。
借り換えを検討すべきケースは、以下の通りです。
- 現在の金利が高い: 金利の高い住宅ローンを組んでいる場合。
- 金利が低下している: 市場金利が借り入れ時よりも低くなっている場合。
- まだ滞納がない/少ない: 信用情報に問題がなく、審査に通る見込みがある場合。
ただし、借り換えには審査があり、すでに住宅ローンを滞納している場合は難しくなります。
また、手数料などの諸費用がかかることもあります。
住宅ローンの救済措置:③任意売却
任意売却は、住宅ローンの残債が不動産の市場価値を上回っている(オーバーローン)状況でも、債権者(金融機関など)の合意を得て、市場で不動産を売却する方法です。競売を避けたい場合に有効です。
任意売却を検討すべきケースは、以下の通りです。
- 住宅ローンの滞納が続いている:
金融機関からの督促や期限の利益喪失の通知が届き、競売の可能性が高まっている場合。 - 競売を避けたい:
プライバシーを守り、市場価格に近い価格で売却したい場合。 - 残債をできるだけ減らしたい:
競売よりも高く売れることで、売却後の残債を最小限に抑えたい場合。 - 引っ越し費用や時期の融通を利かせたい:
競売のように強制的に立ち退くのではなく、計画的に引っ越したい場合。
ただし、任意売却には、債権者全員の同意が必要で、信用情報にも影響が出ます。
専門的な交渉が必要となるため、早い段階で任意売却の専門業者に相談しましょう。
【実績5,000件以上】不動産会社×弁護士が任意売却をサポート! ≫
住宅ローンの救済措置:④住宅金融支援機構(フラット35)の返済特例
フラット35の利用者向けに、住宅金融支援機構が提供している返済猶予制度です。
コロナ禍の経済状況悪化だけでなく、自然災害による被災の場合にも適用されることがあります。
住宅金融支援機構(フラット35)の救済措置が適用されるケースは、主に以下の通りです。
- 経済状況の悪化:
新型コロナウイルス感染症の影響などにより、収入が減少した場合。 - 自然災害による被災:
地震、台風、豪雨などで自宅に被害を受けたり、収入が減少したりした場合。 - 病気や事故:
長期入院や療養などで収入が途絶えた場合。
フラット35では、以下のような内容で返済条件見直しの相談が可能です。
- 返済特例:
月々の支払いを減少させる(返済期間の延長など)。 - 中ゆとり:
一定期間、返済額を軽減し、その後に調整する。 - ボーナス返済の見直し:
ボーナス返済の金額変更や、取りやめ。 - 災害復興住宅融資:
被災住宅の再建・補修、または新たな住宅取得のための低金利融資(災害時)。
住宅ローンの救済措置:⑤その他の措置(債務整理など)
上記で解決が難しい場合や、住宅ローン以外の多額の借金を抱えている場合に検討される、法的な手続きを伴う救済措置です。
- 個人再生
裁判所に申し立て、借金の一部を減額してもらい、残りの借金を原則3~5年で分割返済する手続き。住宅ローン特則を利用すれば、自宅を残せる可能性があります。 - 自己破産
裁判所に申し立て、借金の返済義務を免除してもらう手続き。原則として自宅は手放すことになりますが、生活の再建が可能です。 - コロナ版ローン減免制度(自然災害債務整理ガイドライン特則)
コロナ禍で一時的に適用された制度で、自宅を手放さずに債務整理ができる(信用情報に影響しない)という特徴がありました。
住宅ローンの救済措置を実際に利用できた事例
住宅ローンの救済措置を利用して、実際に多くの方が、困難な状況を乗り越え、生活を立て直しています。
ここでは、救済措置が適用された具体的な事例を3つご紹介します。
事例1:返済条件変更(リスケジュール)で月々の負担を軽減できたAさんのケース
Aさんは30代のご夫婦で、お子さんが生まれたばかりでした。
奥様の産休・育休による収入減と、ご主人の残業時間の減少が重なり、毎月の住宅ローン返済が家計を圧迫し始めました。
適用された救済措置:返済条件変更(リスケジュール)
Aさんは、滞納が始まる前に借り入れ先の金融機関に相談しました。
家計の状況を説明し、今後の収入見込みを提示したところ、金融機関は1年間、元金据え置きを提案。
月々の返済額が大幅に減少し、その間に家計を見直し、奥様の育休明けの収入回復を待つことができました。
事例2:任意売却で競売を回避し、残債も無理なく返済できたBさんのケース
Bさんは自営業を営んでいましたが、コロナ禍による業績悪化で収入が激減。
住宅ローンの支払いが数ヶ月滞り、金融機関から「期限の利益喪失」の通知が届き、このままでは自宅が競売になる瀬戸際に立たされていました。
適用された救済措置:任意売却
Bさんは任意売却を専門とする当社に相談。まず、金融機関と交渉し、競売ではなく任意売却で進めることの合意を取り付けました。
次に、一般市場で買主を探し、競売よりも高い価格で売却が成立。
売却後もローンが残りましたが、債権者との交渉により、Bさんの収入状況に応じた無理のない分割返済計画を立てることができました。
【実績5,000件以上】不動産会社×弁護士が任意売却をサポート! ≫
事例3:フラット35の返済特例で生活再建の道が開けたCさんのケース
Cさんはフラット35で住宅ローンを組んでいましたが、数年前の自然災害(大規模な水害)で自宅が半壊し、その修繕費用や仕事の減少で経済的に大きな打撃を受けました。
住宅ローンの返済を続けることが困難な状況でした。
適用された救済措置: フラット35の返済特例(自然災害対応)
Cさんは、住宅金融支援機構と借り入れ先の金融機関に相談。
被災状況と収入減少の事実を伝え、フラット35の災害に関する返済特例の適用を申請しました。
その結果、一定期間の元金据え置きと、その後の返済期間延長が認められ、月々の返済負担を大きく軽減することができました。
さらに、一部は災害復興住宅融資も利用し、自宅の修繕に充てることができました。
まとめ:「住宅ローン救済措置」を検討するなら、早めに相談
住宅ローンの返済が厳しくなっても、決して一人で抱え込む必要はありません。
今回ご紹介したように、返済条件の変更(リスケジュール)、借り換え、そして任意売却など、状況に応じた多様な救済措置が存在します。
特に任意売却は、競売を回避し、市場価格に近い売却や残債務の交渉を可能にする強力な選択肢です。
センチュリー21中央プロパティーは、任意売却に関する豊富な知識と実績を持っています。
債務整理に強い常駐の社内弁護士が、お客様の状況を丁寧にヒアリングし、期限までの確実な任意売却を実現します。
弁護士相談費用や仲介手数料など、売却に伴う費用は一切ございません。住宅ローンでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。