大切な我が家が競売にかけられる——それは、想像するだけでも胸が締め付けられるような状況です。
しかし、競売の手続きはどのように進むのか、そして一度競売になってしまった家を取り戻す方法はあるのか、具体的に知る機会は少ないかもしれません。
この記事では、競売のプロセスから、もし競売で落札されてしまった場合の買い戻し方法、さらには競売を回避するための具体的な手段まで解説します。
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目次
なぜ競売に?自宅が競売にかけられるまでの流れ
まず、なぜご自宅が競売にかけられるのか、その具体的な経緯を理解しましょう。
競売は、住宅ローンの返済が困難になった際に、金融機関が取る最終的な債権回収手段です。
- 住宅ローン滞納の始まり:
返済が滞ると、まずは金融機関から電話や書面で連絡が来ます。 - 督促と催告:
滞納が続くと、「督促状」や「催告書」が届き、遅延損害金の発生や期限の利益喪失(ローンの一括返済を求められること)が伝えられます。 - 保証会社による代位弁済:
多くの場合、保証会社がローン契約者に代わって金融機関にローン残高を一括で支払います。これにより、債務は金融機関から保証会社に移ります。 - 担保不動産競売開始決定:
保証会社が債権者となり、裁判所に競売を申し立て、自宅を差し押さえられます。これが競売開始の通知です。 - 競売の準備と評価:
裁判所が執行官と不動産鑑定士を派遣し、自宅の現状調査と評価が行われます。この情報が「現況調査報告書」「評価書」「物件明細書」として公開されます。(三点セットとも言われます) - 入札の実施と開札:
裁判所で入札期間が設けられ、最も高い金額を提示した人が落札者となります。 - 代金納付と立ち退き:
落札者が代金を納付すると、その時点で自宅の所有権は落札者(買受人)に移転します。買受人の要求に応じて立ち退きを求められることになります。
競売で自宅を失うとどうなる?落札後の生活への影響
競売で自宅が落札された場合、単に家を失うだけでなく、その後の生活にも大きな影響が及びます。
落札者が代金を納付すると、所有権は買受人に移ります。買受人の要求に従い、自宅を明け渡さなければなりません。話し合いに応じない場合、強制執行によって退去させられる可能性もあります。
また、競売の場合は、売却後もローンの一部が「残債務」として残ります。この残債務は、売却後も引き続き返済義務が残ります。
さらに、競売に至った事実は、信用情報機関に登録されます。これにより、新たなローンを組むことや、クレジットカードの作成などが数年間は非常に困難になります。
競売にかけられた家を「買い戻す」方法
一度競売の手続きに入ってしまった自宅を直接「買い戻す」ことは、現実には非常に難しいのが実情です。
しかし、状況によっては、自宅に住み続けるための代替案や、間接的な形での再取得を模索できる方法がいくつか存在します。
①家族・親族による落札
競売による売却を避けられない状況で、かつ自宅に住み続けたいと強く願う場合、ご家族や親族に協力を依頼し、競売の入札に参加してもらうという方法が考えられます。
もし親族が無事に落札できれば、所有権は移るものの、その親族との間で賃貸借契約を結ぶことで、そのまま住み続けることが可能になります。
将来的には、ご自身が資金を準備できれば、親族から買い戻すことも視野に入れることができるでしょう。
しかし、この方法は、落札のためのまとまった資金を親族が用意できるか、そして他の入札者に競り勝てるかが大きな課題となります。
競売物件の購入資金を融資する金融機関は限られるため、資金の工面は容易ではありません。また、競り負けてしまうリスクもあります。
②新たな所有者との交渉
ご自宅が競売で落札された後、新たな所有者(買受人)と直接交渉し、買い取りの意向を伝えるという方法も、理論上は選択肢として考えられます。
競売物件の元の所有者が、その物件を再び購入することは法律で禁じられていません。
しかし、競売に参加する多くは、利益を追求する不動産投資家や業者、または居住目的の個人です。
「競売物件」という性質を理解した上で入札しているため、簡単に売却に応じてくれるケースは稀です。
仮に応じたとしても、落札価格に利益を上乗せした高額な価格を提示される可能性が非常に高いでしょう。
さらに、ご自宅が競売にかけられた時点で、信用情報は毀損されており、金融機関からの新たな融資を受けることは極めて困難です。買い戻しのための資金をどのように捻出するかが、この方法の最も大きな壁となります。
③リースバック
ご紹介した「買い戻し」に近い方法は、いずれも大きな資金力とリスクを伴います。
そのため、競売の手続きが進んでしまった場合でも、「自宅に住み続ける」ことを最優先に考えるのであれば、「リースバック」を検討することが、より現実的な選択肢となるでしょう。
リースバックは、ご自宅を専門のリースバック会社や投資家に売却し、同時に売却先と賃貸借契約を結んで、そのままご自宅に住み続ける方法です。
これにより、ローンを完済するための資金を得つつ、住み慣れた環境を維持できます。
競売を回避しつつ、住み続けるという目的を達成できる可能性が高い点が最大のメリットです。
最善策は競売になる前に「任意売却」すること
自宅を買い戻すのは困難な道です。何よりも重要なのは、競売にかけられる前に、あるいは競売の手続きが始まった初期段階で、競売を回避するための行動を起こすことです。
競売を回避する最も一般的な方法は、任意売却です。
任意売却は、金融機関(債権者)の合意を得て、市場価格に近い価格で自宅を売却する方法です。
競売の開札日前日までであれば、任意売却によって競売を取り下げることが可能です。
競売よりも高値で売却できる可能性が高く、残債の交渉や引っ越し費用の捻出(債権者の合意が必要)、プライバシーの保護など、売主にとって多くのメリットがあります。
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よくあるご質問
Q1: 競売にかけられた家は、いつ頃から立ち退かなければならないのですか?
A: 競売でご自宅が落札され、その買受人が裁判所に代金を納付した時点で、所有権は買受人(新たな所有者)に移転します。
原則として、この時点で元の所有者(あなた)には自宅を明け渡す義務が生じます。多くの場合、買受人は代金納付後すぐに明渡しを求めてきます。
話し合いに応じない場合、買受人は裁判所に「引渡命令」を申し立てることができ、それが認められれば、最終的には裁判所の強制執行によって退去を余儀なくされます。
引渡命令の申し立てから強制執行までは数週間から数ヶ月かかることもありますが、猶予は決して長くありません。
Q2: 競売で自宅が売られても、住宅ローンの残債務は全てなくなるのですか?
A: 残念ながら、全てがなくなるわけではありません。
競売による売却価格は、市場価格よりも大幅に安くなることがほとんどです。
そのため、売却代金をもってしても、住宅ローンの残高を完済できないケースが非常に多く発生します。売却代金がローン残高に満たなかった場合、その差額が「残債」として残ります。
この残債は、競売後も引き続きあなたに返済義務が生じます。金融機関や保証会社は、この残債に対して別途返済を求めてくることになります。
Q3: 競売で売られた後、自宅を買い戻す方法はありますか?
A: 競売で一度所有権が移転した自宅を、元の所有者であるあなたが直接「買い戻す」ことは、法的に制限されており、実質的には非常に困難です。
民事執行法により、元の所有者が競売に参加することはできません。
「買い戻し」に最も近い形としては、信頼できる親族や知人に競売で落札してもらい、その後に賃貸契約を結んで住み続ける、あるいは将来的に親族から買い取るという方法が考えられます。
ただし、この方法は、落札のための資金調達や、親族との関係維持など、多くの課題が伴います。
Q4: 競売を避けるためにできることは何ですか?
A: 競売を避けるための最も有効な方法は、早期に行動することです。
- 金融機関との交渉:
返済が厳しくなった時点で、できるだけ早く住宅ローンを借り入れている金融機関に相談し、返済条件の変更(リスケジュール)や一時的な返済猶予を交渉しましょう。 - 任意売却の検討:
金融機関との交渉が難しい場合や、自宅の売却を視野に入れるのであれば、任意売却が競売回避の最も有力な手段です。これは、債権者(金融機関など)の合意を得て、市場価格に近い価格で自宅を売却する方法です。競売よりも高値で売却でき、残債の交渉や引っ越し費用の捻出など、売主にとって多くのメリットがあります。 - 債務整理の検討:
住宅ローン以外の借金も多い場合は、弁護士や司法書士に相談し、個人再生(住宅ローン特則を利用して自宅を残すことが可能)や自己破産といった債務整理を検討することも必要です。
Q5: 競売の通知が来てしまいましたが、まだ任意売却はできますか?
A: はい、まだ間に合う可能性があります。
裁判所から競売開始決定の通知が届いてしまった後でも、競売の開札日前日までであれば、任意売却によって競売を取り下げることが可能です。
競売の入札開始日は、裁判所のウェブサイトや不動産競売情報サイトで確認できます。
この期間を逃さず、迅速に任意売却の専門家にご相談いただくことが極めて重要です。時間が限られているため、迷わず専門家へ連絡し、状況を詳しく説明してください。