税金(国税・地方税)の徴収権には「5年」という時効(法的には消滅時効)が存在します。
しかし、この時効の成立を狙って納税を無視し続けることは、非常に危険であり、現実的ではありません。
この記事では、税金滞納の時効が成立する条件について解説します。
【実績5,000件以上】不動産会社×弁護士が任意売却をサポート! ≫
目次
税金滞納の時効(消滅時効)は5年
国税と地方税の時効期間は「5年」
日本の税法では、国や地方自治体が税金を徴収する権利(徴収権)には時効が定められています。
| 税金の区分 | 徴収権の時効期間 | 適用される税金例 |
| 国税 | 5年 | 所得税、法人税、消費税、相続税など |
| 地方税 | 5年 | 住民税、固定資産税、自動車税、国民健康保険税など |
時効期間は、税金の法定納期限の翌日から進行します。
時効と「除斥期間」の違い(国税のみ)
時効のほかに、国税には「除斥期間(じょせききかん)」という概念も存在します。
除斥期間は、税務署が納税者の過去の申告内容をチェックし、不足分の税額を決定・更正する権利に設けられた期限です。
この期間を過ぎると、税務署は原則として課税できなくなります。
主な除斥期間(国税通則法 第70条)
| 事由 | 期間 | 起算点 |
| 過少申告 (修正申告が必要な場合) | 3年 | 法定申告期限の翌日 |
| 無申告 (申告しなかった場合) | 5年 | 法定申告期限の翌日 |
| 偽りその他不正の行為 (意図的な脱税など) | 7年 | 法定申告期限の翌日 |
除斥期間には、時効の更新(中断)や完成猶予といった制度がありません。
時効が成立する「厳しい条件」
税金滞納の時効が成立するのは、以下のような極めて稀なケースに限られます。
- 5年間、一度も督促状や催告書が届かなかった。
- 5年間、行政が滞納者の財産調査を一度も行わず、差し押さえ処分もしなかった。
- 5年間、納税者と行政との間で滞納に関する一切のやり取り(電話、面談、書類のやり取り)がなかった。
これは、行政が納税義務者の存在を完全に失念し、徴収の意思を5年間放棄した状態を意味します。
行政の厳格な徴収体制を考えると、現実的に時効の成立を待つのは非常に非効率で、リスクの高い行為と言えます。
税金滞納で時効が成立しにくい3つの理由
税金(国税・地方税)の徴収権には「5年」という消滅時効が定められています。
しかし、この時効が実際に成立するケースは極めて稀であり、時効を期待して納税を無視するのは現実的ではありません。
その最大の理由は、行政が持つ時効の「更新」(旧:中断)という強力な法的手段を、徴収時効が近づく前に必ず実行するからです。
理由①:督促状の送付で時効はリセットされるから
税務署や自治体は、滞納者の記録を常に管理しており、時効の完成が近づくと必ず督促状を送付します。
この督促状を送る行為自体が、進行していた時効期間をゼロにリセットし、時効期間を更新(再スタート)させる効果を持っています。
行政はこの行為を容易に繰り返せるため、時効が5年間成立するのを意図的に防ぐことが可能です。
理由②:差し押さえ(滞納処分)も時効を更新するから
時効期間中に銀行口座、給与、不動産などの財産を差し押さえる(滞納処分)ことも、時効を更新させる強力な要因です。
行政は、時効完成を阻止するだけでなく、実質的な徴収を図るため、滞納処分を躊躇なく行います。
理由③:時効成立には「5年間音信不通」が必要だから
時効が成立するためには、納税者が5年間、行政から一度も督促や催告を受けず、財産調査や差し押さえも一切行われず、納税に関するやり取りが完全に途絶えるという、現実には考えにくい状況が必要です。
したがって、納税を無視し続けることは、時効成立ではなく、延滞金の増加と強制的な財産差し押さえという深刻なリスクを招くだけです。
【実績5,000件以上】不動産会社×弁護士が任意売却をサポート! ≫
時効成立を狙うのは「リスク」でしかない
時効成立を期待して納税を無視し続けることは、以下のような重大なリスクがあるため、絶対におすすめしません。
延滞税・延滞金が雪だるま式に増加する
税金の滞納が始まると、納期限の翌日から延滞税(国税)や延滞金(地方税)が自動的に加算されます。
これは、滞納している税金に対する利息のようなものであり、支払いが遅れる日数に応じて金額が増えていきます。
時効成立を待つ間、この延滞税・延滞金は日々、雪だるま式に膨れ上がります。 結局、時効が成立しなければ、元の税額よりも遥かに高額になった税金総額を一括で支払わなければならなくなります。
一時的に支払いを免れるために、最終的により大きな経済的負担を負うことになるのです。
財産差し押さえのリスクが継続する
時効期間の5年間を通じて、行政(税務署や自治体)は、納税者の同意や裁判所の許可なく、いつでも財産調査を行い、差し押さえ(滞納処分)を実行する権限を持ち続けます。
差し押さえられる財産には、以下のようなものがあります。
- 預金口座:資金が凍結され生活資金を失うリスク
- 給与:勤務先に滞納事実が知られ、社会的信用を損なうリスク
- 不動産:自宅や土地を公売にかけられ、安価で売却されるリスク
納税証明書が発行されない
税金を滞納している状態では、行政から納税証明書を発行してもらうことができません。
納税証明書が発行されないことで、以下のようなリスクを負います。
- 住宅ローン、自動車ローンなどの審査が通らない
金融機関は納税証明書を通じて、納税義務を履行しているかを確認するため、滞納が判明すれば審査に落ちる可能性が極めて高くなります。 - 事業融資の申請が通らない
会社経営者や個人事業主の場合、融資の際に納税証明書の提出が必須であり、滞納が原因で資金調達の道が閉ざされます。 - 入札参加資格の取得ができない
公共事業などへの入札参加資格を得る際にも必要となるため、ビジネスの機会を失うことになります。
時効を待つ行為は、一時的な猶予と引き換えに、将来的な経済的・社会的信用をすべて失うリスクを負うことになります。
【実績5,000件以上】不動産会社×弁護士が任意売却をサポート! ≫
時効を待たず、税金の滞納問題を解決する3つの方法
税金の滞納問題を抱えている方が時効の成立を期待することは、現実的でないばかりか、延滞金の増加や財産差し押さえのリスク継続という大きなデメリットを招きます。
ここでは、税金の滞納問題における具体的な解決のための3つの方法を解説します。
①分納(分割払い)を相談する
税金滞納が発覚し、督促状や催告書が届いた際に最も優先すべき行動は、役所(納税課、税務署)へすぐに連絡を入れることです。
税金は一括納付が原則ですが、支払い困難な事情が認められれば、分納計画(分割払い)に応じてもらえる可能性があります。
分納が認められれば、その期間中は差し押さえの実行を停止または回避できるという大きなメリットがあります。
②「徴収の猶予」を利用する
災害、盗難、あるいは病気、事業の廃止や著しい損失などにより、一時的に納税が困難になった場合は、徴収の猶予制度を申請できます。
申請が認められると、財産の差し押さえが猶予されます。
また、すでに差し押さえられた財産を解除してもらえる可能性もあります。
さらに、猶予期間中の延滞税(延滞金)が、その全部または一部が免除されるメリットがあります。
③不動産の「任意売却」を検討する
もし、高額な固定資産税や所得税などの滞納により、自宅や不動産が差し押さえの対象になった場合、最終手段として「任意売却」という方法で解決を図ることが、納税者にとって最も有利な選択肢となります。
不動産が差し押さえられると、行政による公売(強制的な売却)にかけられます。公売は市場価格よりも安価になり、売却後に滞納税金や住宅ローンが多く残ってしまうリスクがあります。
一方、任意売却は、債権者(行政や銀行)の合意を得て、一般の不動産市場で売却する方法です。
公売と任意売却の違いは、以下の通りです。
| 公売(行政による売却) | 任意売却(自分の意思での売却) | |
| 主体機関 | 税務署・自治体など行政 | 不動産所有者と買主・金融機関など関係者 |
| 売却の強制力 | 強制的に売却される | 所有者の同意のもと売却 |
| 売却価格 | 最低売却価格が設定され、市場価格より低くなる | 市場価格で売却できる可能性が高い |
| 公開情報 | 入札情報や売却結果が行政の公告で公開 | 基本的に非公開で、プライバシーが守られやすい |
| 手続きの柔軟性 | 柔軟性はほとんどない | 交渉次第でローン残債や滞納税金の清算方法を調整可能 |
| 目的 | 税金滞納などの回収 | 差押え回避・負債整理・生活再建 |
| リスク | 市場価格より低く売られるため損失が大きい | 関係者との交渉が必要で手間はかかるが損失を最小化できる |
まとめると、公売は行政主導で強制的に安く売られるリスクがあるのに対し、任意売却は所有者の意思で市場価格に近い形で売却でき、差押えを回避しやすいという違いがあります。
任意売却を実行するには、行政(税務署・自治体)や住宅ローンを持つ金融機関など、複数の利害関係者との複雑な交渉が必要不可欠です。
そのため、任意売却を専門とする不動産会社や弁護士に早期に相談することが重要です。
【実績5,000件以上】不動産会社×弁護士が任意売却をサポート! ≫
【完全無料】任意売却の相談受付中
税金滞納の時効は5年ですが、行政の督促状送付などにより時効は容易に更新(リセット)され、国税徴収法第94条によって公売手続きは進んでいきます。
時効の成立を待つことは、延滞金の増加と財産差し押さえのリスク継続という、デメリットしかない危険な選択です。
時効に頼るのではなく、早期に役所や専門家に相談することが最も確実で安全な解決策です。
特に自宅などの不動産が差し押さえの危機にある場合は、公売になる前に任意売却を検討することが、損失を最小限に抑えるための手段となります。
当社センチュリー21中央プロパティーは、複雑な税金滞納や不動産競売(公売)が絡む任意売却を専門としています。
税務署や地方自治体との複雑な差し押さえ解除交渉、そして金融機関との調整に特化した実績があります。
国税徴収法第94条の手続きによって公売になる前に、お客様の財産を最大限守るため、市場価格に近い価格での売却を目指します。
任意売却に関するご相談は、プライバシーを厳守し、周囲に知られることなく解決へと導きます。
公売の開始決定通知が届く前に、今すぐご相談ください。