任意売却を検討しているものの、家族の一員であるペットがどうなるのか気がかりだという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、ペットがいるご家庭が任意売却を進める上での注意点や査定額への影響、また売却後のペットとの生活などについて詳しく解説していきます。
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目次
家を任意売却したらペットはどうなる?
任意売却は、自宅を売却して住宅ローンを清算するために、今住んでいる家を売却する手続きです。
その際、ペットの処遇については大きく分けて次の2つの選択肢が考えられます。
- ペット可の新しい家で一緒に暮らし続ける
- 里親を探してペットを託す
①ペット可の新しい家で一緒に暮らし続ける
最も望ましい選択肢は、任意売却後に「ペット可」の住居へ引っ越し、これまで通り一緒に暮らし続けることです。
新居探しは、任意売却のスケジュールと並行して進めることになります。
ペット可の賃貸物件は通常の物件に比べて数が限られ、また家賃や初期費用(敷金・礼金など)が割高になる傾向があります。
しかし、任意売却が成立すれば売却代金から引っ越し費用が捻出できるケースが多いため、その費用で新生活の基盤を整えることが可能です。
可能な限り早期に物件を探し、ペットとの新しい生活をスタートさせましょう。
②里親を探してペットを託す
物件がどうしても見つからない、あるいは経済的な事情で飼育が難しいなどのやむを得ない事情がある場合、残念ながらペットを手放し、新しい飼い主となる里親を探すという選択肢を検討せざるを得ません。
里親探しは、知人や友人に引き取りを依頼するほか、地域の動物愛護団体や保護施設、インターネットの里親募集サイトなどを利用するのが一般的です。
ただし、里親探しは時間がかかることが多く、必ずしもすぐに見つかるとは限りません。
また、任意売却の手続きを進めながら里親を探すことは、精神的にも大きな負担となるため、里親探しは最終的な手段と考え、できる限り一緒に暮らせる道を探ることが重要です。
なお、任意売却や競売の手続きにおいて、「ペットが差し押さえられるのではないか」と心配される方もいらっしゃいますが、法律上、ペット(愛玩動物)は原則として差し押さえ禁止財産に含まれるため、家とは異なり強制的に売られてしまうようなことはありません。
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ペットを飼っている家を任意売却する場合の注意点
ペットと暮らしている家を任意売却する際には、通常の売却とは異なる次のような注意点が存在します。
- 売却価格が下がる場合がある
- 買主を探すのが難航する場合がある
- 引っ越し先の選定が難しい場合がある
売却価格が下がる場合がある
ペットを飼っている家は、飼っていない家と比べて売却価格(査定額)が下がる可能性があります。
これは、ペットによる特有の傷や汚れ、臭いなどが原因です。
▼ペットが居る家の売却価格が下がる理由
- 傷・汚れ
猫の爪とぎによる柱や壁の傷、犬がつけた床フローリングのひっかき傷、排泄物によるシミなど - 臭い
壁紙やカーテン、カーペット、床材などに染み付いたペット臭など
こうした傷や臭いは、買主側から見れば欠陥と見なされることがあります。
買主は購入後にリフォームやハウスクリーニングを行う必要があるため、その費用分を売却価格から差し引くよう交渉されるケースが多くなります。
任意売却の場合、売主の手元には売却資金がほとんど残らないため、売却前に高額なリフォーム費用を捻出するのは困難です。
そのため、ある程度の価格下落は覚悟し、できる限りの清掃や消臭対策(専門業者のクリーニングや換気の徹底など)を行うことが重要です。
買主を探すのが難航する場合がある
ペットを飼っていたという事実は、買主を探す上で不利に働くことがあります。
▼買主を探すのが難航する理由
- アレルギーの問題
購入希望者やその家族が動物アレルギーを持っている場合、売主がクリーニングを徹底していても、購入の選択肢から除外されてることが多い - 臭いや傷への懸念
中古住宅の購入層は、できるだけ綺麗な状態の物件を求める傾向があるため、染み付いた臭いや修繕しきれない傷がある家は敬遠されがち
ただし、任意売却は「競売開札日の前日」までに売買契約を成立させて代金決済まで終える必要があるため、買主の層が狭まることは売却活動において大きなハンデとなります。
そのため、内覧時にはペットを一時的に知人宅やペットホテルに預ける、ケージを清潔にしておく、換気を徹底するなど、できる限りマイナスイメージを払拭する努力が必要です。
引っ越し先の選定が難しい場合がある
前章でも触れましたが、任意売却そのものがスムーズに進んでも、自分とペットが住む新居探しは予想以上に難航する場合があります。
▼新居探しが難しい理由
- ペット可物件の絶対数が少ない
「ペット可(相談可を含む)」の賃貸物件は全体の2割にも満たない数であり、希望のエリアや家賃、間取りの物件を見つけるのは困難 - 厳しい飼育条件
ペット可であっても、「小型犬1匹のみ可」「猫は不可」「多頭飼い不可」などの条件がついていることがほとんど - 初期費用・家賃の割高感
ペット可物件は退去時の原状回復費用がかさむリスクがあるため、敷金や家賃自体が通常物件の相場より高め
ペットを抱えた売主は、上記のような厳しい条件をクリアする物件を、任意売却の手続きと並行して見つけなければなりません。
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ペットと一緒に今の家に住み続ける方法はある?
住宅ローンの支払いが難しい場合にも、家を手放すことなくそのまま住み続ける方法が2つ存在します。
- リースバック
- 親族間売買
ただし、どちらも債権者(金融機関)の合意と協力者(買主)が必要となるため、ハードルは高い方法です。
また、基本的にいずれもオーバーローン(家の売却金額が住宅ローン残高を下回る状態)の場合には実行がきわめて困難になるため、その点は留意しましょう。
方法①リースバック
リースバックとは、自宅を投資家や専門の不動産会社に売却したうえで、売却と同時にその家と賃貸契約を結び、家賃を払いながら住み続ける方法です。
引っ越し不要で生活環境も変わらず、売却した事実を周囲に知られづらいというメリットがあります。
しかし、リースバックは家賃が近隣相場よりも家賃が高くなる傾向にあり、元々支払っていた住宅ローンを上回る価格になることも珍しくありません。
また、将来的にその家を買い戻す特約をつけられる場合もありますが、その際の金額は売却価格よりも高くなるのが一般的です。
方法②親族間売買
親族間売買とは、その名の通り親や兄弟といった親族に自宅を買い取ってもらう方法です。
家を買い取ってもらった家に買主である親族と賃貸借契約を交わし、有償もしくは無償で住まわせてもらうことになります。
引っ越し不要で生活環境が変わらないことはリースバックと同様ですが、買主が親族であるという心理的な安心感も大きなメリットです。
ただし、親族間売買は住宅ローンの審査が非常に厳しいため一括購入が求められることが多く、親族に十分な資金力があることが絶対条件になります。
また、売却価格によっては贈与税が課される点にも注意が必要です。
任意売却後にペットと新生活を始められたケース2選
当社にて任意売却を行った後、無事に大切なペットと新生活を始められた2つのケースをご紹介します。
- 複数の愛猫とともに引っ越した独身男性
- 愛鳥とともに引っ越したご夫妻
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ケース①複数の愛猫とともに引っ越した独身男性
相談者
岡田様(仮名)53歳 東京都江東区在住
- ご家族:ご本人のみ
- ペット:猫5匹
- ご相談内容と経緯:ローンの滞納が続いてしまい、最近になって一括請求の通知が届いたが到底支払うことはできない。そのような状況で郵便受けのチラシを見つけ、センチュリー21 中央プロパティーに任意売却を相談。
当社からのご提案と解決までの道のり
ご依頼時、岡田様ご自身も経済的・精神的に余裕がなくなっていたことから、家の中は5匹の猫による壁や床の傷・汚れが目立ち、またゴミで溢れているような状態となっていました。
そのため、当社はご依頼いただいてすぐにハウスクリーニング等の業者を手配し、なるべく好条件で売却できるよう室内を清掃するとともに、岡田様が猫と一緒に住める新居探しを開始。
立地の良さもあり、任意売却自体は3ヶ月ほどで成立させられましたが、新居探しは「複数の猫の飼育OK」という難しい条件もあって難航。
しかし、引き続きセンチュリー21独自のネットワークを活用して多くの物件をピックアップし、結果としてご希望に沿う物件を見つけることができました。
売却前ほど広いお家ではないものの、今でも家族とも言える猫5匹と穏やかに過ごされているそうです。
ケース②愛鳥とともに引っ越したご夫妻
相談者
吉沢様(仮名)45歳 東京都荒川区在住
- ご家族:妻(43歳)
- ペット:セキセイインコ1羽
- ご相談内容と経緯:コロナの影響で夫婦2人とも手取りが激減し、住宅ローンを滞納した結果家が差し押さえに。家を売り、長年飼っている鳥とともに夫婦2人で賃貸に引っ越したいと考え、インターネットで見つけた当社に任意売却を相談。
当社からのご提案と解決までの道のり
ご依頼された時にはすでに家が差し押さえられており、まもなく競売開始決定通知が届くというタイミングでした。
時間的なリミットが迫っていることから、当社はすぐに債権者と任意売却の合意を得るための交渉を開始。
幸い、当社と長年の信頼関係がある債権回収会社だったため、センチュリー21中央プロパティーの査定を基にした不動産価格で売却活動を行う許可を得ることができました。
新居探しも当社が手配いたしました。
犬や猫でなく「鳥」を飼育できる物件は少なく、こちらのケースも難航しましたが、当社担当者が候補物件を1件ずつ確認し、幸いご希望通りの鳥の飼育ができる賃貸物件をご用意できました。
住宅ローン残債務の分割払いは残ったものの、売却前よりも出費は減り、現在はご夫妻と1羽で落ち着いた生活をされています。
まとめ
ペットがいるご家庭の任意売却は、通常の任意売却に比べて多くの課題を伴います。
住宅ローンの返済に行き詰まり、任意売却を検討し始めたら、まずは手遅れになる前に専門家へ相談することが何よりも重要です。
当社センチュリー21中央プロパティーは、債務整理に強い弁護士が社内に在籍する不動産会社として多くの方の任意売却を成功させてきました。
センチュリー21のネットワークを活かし、任意売却後に大切なペットを連れてお住いになる新居探しやお引越までしっかりとサポートします。
弁護士相談費用や仲介手数料など、売却に伴う費用は一切ございません。
住宅ローン滞納にお悩みの方は、すぐにご相談ください。