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特殊なケース・状況別の売却

旦那の失業で住宅ローンが払えない場合の対処法

旦那の失業で住宅ローンが払えない場合の対処法

旦那の失業で住宅ローンが払えない場合、すぐに金融機関や専門機関に相談し、対策を講じることが最も重要です。 滞納を放置すると、状況は悪化し、最悪の場合、家を失うことにもなりかねません。

この記事では、旦那の失業で住宅ローンが払えない場合の具体的な対処法と、利用できる制度を詳しく解説します。

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旦那の失業で住宅ローンを払えない場合にできること

住宅ローンを滞納することは、信用情報に傷がつき、後々の生活再建に大きな悪影響を及ぼします。

返済が難しくなると感じたら、滞納する前に必ず行動を起こしましょう。

住宅ローンを借りている金融機関への相談

最優先で相談すべき場所です。 金融機関は、返済が困難になった際に以下のような救済措置を用意しています。

  • 返済猶予(元金据置)
    一定期間、元金の返済を猶予し、利息のみの支払いに変更することで、月々の負担を大幅に軽減できます。
  • 返済期間の延長
    返済期間を長くすることで、月々の返済額を減らす方法です。総支払額は増えますが、当面の負担を軽くできます。
  • 返済額の減額
    一時的に月々の返済額を減らしてもらう交渉が可能です。
  • ボーナス返済の見直し
    ボーナス払いを一時的に停止したり、金額を減らしたりする相談ができます。

現状を正直に話し、家計状況(収入・支出・貯蓄)を整理して持参しましょう。再就職への意欲を示すことも重要です。

団信(団体信用生命保険)の確認

住宅ローン契約時に加入した団信に、「失業保障特約」や「就業不能保障特約」が付帯している場合があります。

この特約があれば、失業期間中の住宅ローン返済を保険金でカバーしてくれる可能性があります。契約書を確認し、保険会社に問い合わせましょう。

公的な支援制度・専門機関への相談

住宅ローンの返済が困難になった際、金融機関への相談と並行して、国や自治体、そして専門家が提供する支援制度や相談窓口の活用も非常に重要です。

1. 住宅確保給付金

住宅確保給付金」は、主に離職や廃業によって経済的に困窮し、住居を失うおそれがある方に対して、安定した住まいを確保できるよう、家賃相当額を支給する制度です。

生活困窮者自立支援制度の一環として実施されています。

原則として、賃貸住宅に住んでいる方が対象ですが、近年、持ち家であっても住宅ローンの返済が困難で、滞納により自宅を失う危機にある場合に、特例的に利用できるケースが増えています。

これは、住宅ローンを滞納し続けると最終的に自宅を失い、生活困窮状態に陥ることを避けるための措置です。

支給された給付金を住宅ローンの返済に充てることで、一時的に困難を乗り越える手助けとなります。

住宅確保給付金の利用するには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • 離職・廃業後2年以内の方、または就業しているが個人の責に帰すべき理由・都合によらないやむを得ない休業等により収入が減少し、離職・廃業と同程度の状況にある方。
  • 申請者及び同一生計の親族の合計所得が、市町村民税の均等割が非課税となる収入額の1/12(例:単身世帯で約8.1万円~13.7万円程度、地域や扶養親族の有無で変動)と、家賃額(または住宅ローン月額)の合計額以下であること。
  • 申請者及び同一生計の親族の合計預貯金・有価証券等が基準額(例:単身世帯で50.4万円~78万円程度、地域や世帯人数で変動)以下であること。
  • 公共職業安定所(ハローワーク)への求職申込みを行い、誠実かつ熱心に求職活動を行うこと。(就業中の場合は除く)

住宅確保給付金に関する相談は、お住まいの市区町村の福祉窓口、または「生活困窮者自立相談支援機関」が相談・申請窓口となります。

まずは電話などで状況を説明し、持ち家での利用の可能性や必要書類について確認することをお勧めします。

2. 住宅資金特別条項(個人再生・住宅ローン特則)

「住宅資金特別条項」は、裁判所を通して行う「個人再生」という債務整理手続きの一部です。

この制度は、住宅ローン以外の借金(カードローン、キャッシング、消費者金融からの借金など)も抱えており、返済が困難な場合に特に有効です。

通常、債務整理を行うと全ての借金が対象となり、自宅も処分の対象となることがありますが、住宅資金特別条項を申し立てることで、マイホームを手放さずに、住宅ローン以外の借金を大幅に減額し、再生計画に基づいて分割で返済していくことが可能になります。

個人再生は複雑な法的手続きであり、弁護士や司法書士といった法律の専門家に相談することが必須です。

失業で住宅ローンを払えない場合の自宅の売却方法

住宅ローンの返済が困難になった場合、これまで説明してきたような金融機関との交渉や公的支援の活用が優先されます。

しかし、それでもなお返済が難しい状況に陥った場合、自宅の売却を検討せざるを得ないこともあります。

ここでは、主な3つの売却方法を解説します。

  1. 通常の売却
  2. 任意売却
  3. リースバック

1. 通常の売却(一般売却)

この方法は、文字通り不動産会社に仲介を依頼して、市場で自宅を売却する方法です。

住宅ローンが残っている場合でも、売却代金でローンを一括返済できれば、通常の売却が可能です。

通常売却は、以下のような場合におすすめの選択肢です。

  • 住宅ローンの残債務よりも、自宅の売却価格の方が高くなる見込みがある場合(オーバーローンではない場合)
  • 売却を急ぐ必要がなく、ある程度の期間をかけてでも高く売りたい場合
  • 住宅ローンを滞納する前に、資金繰りのために売却を決断した場合

通常の売却の流れ

  1. 不動産会社に査定を依頼し、売却価格を決定する
  2. 不動産会社と媒介契約を締結し、売却活動を開始する(広告掲載、内覧対応など)
  3. 購入希望者が見つかり、売買契約を締結する
  4. 残代金の受領と同時に、住宅ローンを一括返済し、抵当権を抹消する
  5. 所有権移転登記を行い、引き渡しを完了する

通常の売却のメリット

  • 市場価格に近い価格で売却できる可能性が高い
    広く購入希望者を募るため、最も高い価格で売れる可能性があり、手元に資金が残りやすいです。
  • 自分の意思で売却活動を進められる
    売却時期や価格、引き渡し条件などを比較的自由に設定できます。
  • 信用情報への影響がない
    住宅ローンを滞納する前に売却し、完済できれば、信用情報に傷がつくことはありません。

通常の売却のデメリット

  • 売却に時間がかかる場合がある
    買主が見つかるまでに数ヶ月~半年以上かかることもあり、その間も住宅ローンの返済は継続する必要があります。
  • 内覧対応の手間がある
    購入希望者の内覧に対応する必要があり、精神的な負担がかかることがあります。
  • 諸費用がかかる
    不動産仲介手数料(売却価格の約3%+6万円+消費税)、登記費用、印紙税、測量費用などがかかります。

2. 任意売却

任意売却は、住宅ローンの返済が滞り、滞納が続いている、または今後滞納する見込みがある状態で、住宅ローンの残債が自宅の売却価格を上回る(オーバーローン状態)場合に選択される売却方法です。

債権者である金融機関(銀行など)の合意を得て、市場で自宅を売却します。裁判所による競売手続きに移行する前に、債務者自身の意思で売却を進める点が特徴です。

任意売却は、こんな場合に有効です。

  • 住宅ローンの返済が滞っている、または滞納が避けられない状況で、住宅ローンの残債務が自宅の売却価格を上回る場合。
  • 競売による自宅の強制的な売却を避けたい場合。
  • 引越し費用などを確保しながら、自宅を手放したい場合。

任意売却の流れ

  1. 住宅ローンを借りている金融機関に、返済困難であることを相談し、任意売却の意向を伝える。
  2. 金融機関から任意売却の許可を得る。
  3. 任意売却の実績が豊富な不動産会社に仲介を依頼する。
  4. 金融機関と不動産会社、債務者の間で売却条件を調整する(売却価格、諸費用、残債の扱いなど)。
  5. 購入希望者を探し、売買契約を締結する。
  6. 売却代金から諸費用や残債の一部を金融機関に支払い、抵当権を抹消する。
  7. 残った債務については、金融機関と改めて返済計画を交渉する(無理のない範囲での分割返済など)。

任意売却のメリット

  • 競売よりも高値で売却できる
    競売は市場価格の7割程度でしか売れないことが多いため、任意売却の方がより多くの売却代金が得られ、残る債務を減らせます。
  • 引越し費用などの交渉が可能
    売却代金の中から、引越し費用や滞納している管理費・修繕積立金などを捻出できるよう、金融機関と交渉できる場合があります。
  • 引越し時期を調整しやすい
    買主との合意によって、引き渡し時期をある程度柔軟に設定できます。
  • 精神的な負担が少ない
    競売のように周囲に知られることなく、人目を避けて売却を進めることができます。

任意売却のデメリット

  • 金融機関の合意が必要
    債権者が複数いる場合は、全ての債権者の合意を得る必要があります。
  • 信用情報に影響が出る
    住宅ローンの滞納を前提とするため、信用情報機関に事故情報が登録されます(いわゆるブラックリスト)。
  • 残債が残る場合がある
    売却しても住宅ローンが完済できない場合は、残った債務を金融機関と交渉して返済していく必要があります。

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3. リースバック

リースバックは、自宅を不動産会社や投資家などの第三者に売却(所有権を移転)した後も、その自宅に賃貸契約を結んで住み続けることができる方法です。

リースバックは、以下のような場合におすすめの手段です。

  • 自宅を手放さずに、現在の住まいに住み続けたい強い希望がある場合。
  • まとまった資金をすぐに得て、住宅ローンを完済したい、または当面の生活資金を確保したい場合。
  • 将来的に経済状況が回復すれば、自宅を買い戻したいと考えている場合。

リースバックの流れ

  1. リースバックを専門とする不動産会社やサービス提供会社に相談し、査定を依頼する。
  2. 売却価格と賃料、賃貸期間などの条件を決定する。
  3. 自宅の売買契約を締結し、同時に賃貸借契約も締結する。
  4. 売却代金を受け取り、住宅ローンを一括返済する。
  5. 所有権は第三者に移転するが、そのまま賃料を支払って住み続ける。

リースバックのメリット

  • 自宅に住み続けられる
    住み慣れた自宅を離れる必要がないため、引越しの手間や費用がかからず、精神的な負担も少ないです。
  • 売却資金をすぐに得られる
    自宅を売却することでまとまった資金を得られ、住宅ローンの完済や、当面の生活費、再就職までのつなぎ資金に充てられます。
  • 固定資産税などの負担がなくなる
    所有権が移転するため、固定資産税や都市計画税、修繕費などの負担がなくなります。
  • 将来的に買い戻せる可能性もある
    契約によっては、将来的に自宅を買い戻すオプションが設定されることもあります(ただし、買い戻し価格は売却時より高くなることが一般的です)。

リースバックのデメリット

  • 通常の売却よりも売却価格が低くなる傾向がある
    売却後の賃貸契約を前提とするため、通常の市場価格よりも売却価格が低めに設定されることが多いです。
  • 賃料が発生する
    月々の家賃の支払いが発生します。
  • 所有権がなくなる
    自宅の所有権は売却先に移るため、リフォームの自由度などが制限されます。
  • 契約期間の更新ができないリスク
    賃貸借契約の期間満了後、契約が更新されず退去を求められるリスクもゼロではありません。

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まとめ:早期の行動が選択肢を広げる

旦那さんの失業という予期せぬ事態で住宅ローンの返済に不安を感じることは当然です。

しかし、一人で抱え込まず、早めに専門機関や金融機関に相談し、適切な対策を講じることが何よりも重要です。

何よりも「滞納する前に動くこと」が、問題を解決し、今後の生活を再建するための第一歩となります。

弁護士相談費用や仲介手数料など、売却に伴う費用は一切ございません。住宅ローンでお困りの方は、今すぐご相談ください。

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