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特殊なケース・状況別の売却

リストラ・失業で住宅ローンが払えない…4つの対処法

リストラ・失業で住宅ローンが払えない…4つの対処法

リストラや失業で住宅ローンが払えない場合でも、ローンの借入先である金融機関に早急に連絡することで、返済期間の延長や元金据え置きといった「リスケジュール」など、返済条件の変更を検討してもらえます。

この記事では、リストラや失業によって、住宅ローンが払えなくなった場合の公的支援や任意売却の手順について解説します。

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リストラ・失業で住宅ローンが払えないとどうなる?

リストラや失業で収入が途絶え、住宅ローンの支払いが困難になると、最終的に自宅が競売にかけられてしまいます。

ここでは、住宅ローンの滞納から競売までの一般的な流れと、競売になった場合のデメリットについて詳しく解説します。

ローン滞納から競売までの流れ

住宅ローンの滞納が始まると、以下のような段階を経て競売へと進んでいきます。

1ヶ月:催促状・電話連絡

支払い期日を過ぎると、金融機関から督促の連絡が入ります。
この段階で金融機関に相談すれば、まだ打てる手が多く、比較的柔軟な対応が期待できます。

2~3ヶ月:期限の利益の喪失通知(全額一括返済の請求)

滞納が2~3ヶ月続くと、金融機関は「期限の利益の喪失通知」を送ってきます。

これは、「毎月分割で返済する権利」を失い、住宅ローン残高の全額を一括で返済しなさいという最終警告です。

この通知が届くと、事態は非常に深刻であり、競売への道が目前に迫っていることを意味します。

4~6ヶ月:保証会社による代位弁済通知、競売開始決定通知(裁判所からの書類)

期限の利益を喪失すると、住宅ローンの保証会社が債務者に代わって金融機関に一括返済(これを代位弁済といいます)を行います。

これにより、債権者が金融機関から保証会社へと移ります。

その後、保証会社は代位弁済した金額を債務者に請求するため、裁判所に競売の申し立てを行います。

この段階で、裁判所から「競売開始決定通知」が届き、自宅が正式に競売手続きに入ったことを知らされます。

約半年~1年:競売による自宅の強制売却

競売開始決定から、裁判所による物件調査、情報公開、入札を経て、最終的に自宅が強制的に売却されます。

この期間は半年から1年程度が一般的ですが、状況によってはさらに延びることもあります。

競売になった場合の致命的なデメリット

競売は、住宅ローンの問題を強制的に解決する最終手段ですが、債務者にとっては極めて不利な結果を招きます。

市場価格より大幅に安い価格で売却される(残債が多く残る)

競売は、買主が物件を十分に内見できない、引き渡し後のリスク(元居住者の立ち退きなど)を負うといった理由から、一般市場での売却価格よりも大幅に低い金額(市場価格の7割~8割程度)でしか売却されない傾向があります。結果として、自宅を手放しても多額のローンが残ってしまう可能性が高まります。

物件情報や所有者情報が公開され、プライバシーが侵害される

 競売物件の情報は、裁判所のウェブサイトや広報誌に詳細(住所、間取り、写真、所有者名など)に公開されます。これにより、近隣住民や知人に住宅ローンの滞納状況を知られてしまうリスクがあり、精神的な負担が非常に大きくなります。

強制的な立ち退きとなり、引っ越し時期を選べない

競売で自宅が落札されると、買主の所有物となるため、債務者は決められた期日までに強制的に立ち退かなければなりません。引っ越し時期や費用について融通が利かず、急な退去を迫られることになります。

売却後に残ったローンは一括返済を求められ、生活再建が極めて困難になる

競売で売却されても残債が残った場合、保証会社や金融機関からその残債の一括返済を求められます。これができないと、給与や預貯金、その他の資産が差し押さえの対象となり、その後の生活再建が非常に困難になります。

信用情報に大きな傷がつく

住宅ローンの滞納や競売は、信用情報機関に事故情報として登録されます。これにより、約5年~10年間は新たな借り入れ(住宅ローン、自動車ローン、クレジットカードなど)や、携帯電話の分割払いなどが非常に難しくなります。これは、将来の生活設計に大きな影響を及ぼします。

このように、住宅ローンの滞納を放置し、競売に至ることは、自宅を失うだけでなく、その後の生活にも甚大な悪影響を及ぼします。だからこそ、早めに対処することが何よりも重要なのです。

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リストラ・失業にするべきこと

リストラや失業という困難な状況に直面し、住宅ローンの支払いに不安を感じたら、まずは落ち着いて、これからご紹介する3つの対処法を実践しましょう。

早めの行動が、状況を好転させるための鍵となります。

1. 金融機関に返済条件の変更を相談する

住宅ローンの返済が苦しくなったら、何よりもまず、借り入れ先の金融機関にすぐに連絡してください。

滞納が始まる前に相談することで、金融機関もあなたの状況を理解し、より柔軟な対応を検討してくれます。

リストラされた事実や、現時点での収入見込み、今後の再就職活動の状況などを正直に伝えましょう。

金融機関は、返済期間の延長や、一定期間元金を据え置く(利息のみの支払いに変える)などの「リスケジュール(返済条件変更)」を提案してくれる可能性があります。

黙って滞納を続けると、事態は悪化し、最終的に競売へと進んでしまうリスクが高まります。

2. 公的支援制度の確認と活用

収入が途絶えた場合に備え、国や自治体が提供している公的支援制度を積極的に活用しましょう。

  • 失業保険(雇用保険の基本手当)
    雇用保険に加入していた方が、失業した際に再就職までの生活を支援するために支給される手当です。
    受給要件(雇用保険加入期間など)を満たせば、再就職までの貴重な生活資金となります。お近くのハローワークで申請手続きを行います。

参考:ハローワーク 雇用保険手続きのご案内

  • 住居確保給付金
    リストラなどによる離職・廃業で住居を失うおそれがある方を対象に、家賃相当額を原則3ヶ月間(最長9ヶ月間)支給する制度です。
    自治体によって詳細が異なるため、お住まいの地域の福祉窓口で相談が必要です。

参考:厚生労働省生活支援特設ウェブサイト | 住居確保給付金:制度概要

  • 生活福祉資金貸付制度
    低所得世帯や失業者向けの貸付制度で、緊急性の高い少額の資金(緊急小口資金)や、生活再建のための比較的まとまった資金(総合支援資金)を借り入れることができます。

参考:生活福祉資金貸付制度 |厚生労働省

3. 家計の徹底的な見直し

収入が減少した分、支出を極限まで抑えるための家計の見直しは不可欠です。

  • 固定費の削減
    月々定額で発生する費用は、一度見直せば継続的に効果があります。
    スマートフォンの通信プランを格安SIMに変更する、利用していないサブスクリプションサービスを解約する、不要な保険を見直すなど、大胆な削減を検討しましょう。
  • 変動費の削減
    食費、娯楽費、交通費など、日々変動する費用も徹底的に抑えます。
    外食を控え自炊を増やす、不要不急の外出を控える、公共交通機関を活用するなど、細かな節約を積み重ねましょう。
  • 一時的な収入源の確保
    自宅にある不用品をフリマアプリやリサイクルショップで売却したり、単発のアルバイトを探したりして、一時的にでも手元資金を確保することも有効です。

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自宅に住み続けたい場合の対処法

リストラや失業といった困難な状況でも、「どうしても自宅を手放したくない」という場合は、以下の選択肢が有効です。

  • 返済条件を変更する
  • 住宅ローンの借り換えを行う
  • リースバックを利用する

返済条件を変更する(リスケジュール)

これは、自宅に住み続けながら住宅ローンの負担を軽減する、最も一般的な方法です。ローンを借りている金融機関と交渉し、現在の返済計画を見直してもらいます。

具体的には、以下のような内容で対応してもらえることが多いです。

  • 元金据え置き
    一定期間(例:半年~数年間)、元本の返済を猶予し、利息のみの支払いにすることで、月々の返済額を大幅に減らすことができます。これは、一時的な収入減に対応するのに非常に有効です。
  • 返済期間の延長
    ローンの総返済期間を延ばすことで、毎月の返済額を軽減します。例えば、残りの返済期間が20年のところを30年に延ばすことで、月々の負担を軽くします。
  • 金利タイプの変更
    変動金利から固定金利への変更、あるいはその逆など、金利タイプを変更することで、月々の返済額を調整できる場合があります。
  • ボーナス返済の見直し
    ボーナス払いを設定している場合、ボーナス分の返済を減額したり、取りやめて毎月の返済額に組み入れたりすることも可能です。

ローンの返済条件を変更する際の注意点として、返済期間が延びる場合、総返済額が増える可能性があります。また、リスケジュールには金融機関の審査が必要であり、必ずしも希望通りになるとは限りません。

リストラや失業など、明確な収入減の理由がある場合、金融機関も比較的柔軟かつ親身に相談に応じてくれる傾向があります。早い段階で相談することが何よりも大切です。

住宅ローンの借り換え

現在よりも金利の低い住宅ローンに乗り換えることで、毎月の返済額や総返済額を減らす方法です。

別の金融機関で現在のローンよりも有利な条件のローンを組み、既存のローンを完済します。これにより、新たな返済計画で返済を進めることになります。

ただし、借り換えには厳格な審査があり、手数料などの諸費用もかかります。リストラ後や住宅ローンをすでに滞納している状況では、新規の借り換え審査に通ることは非常に困難です。 金融機関は安定した収入があることを重視するため、失業中の状況では審査に通るのが難しいと認識しておくべきです。

借り換えは、あくまで返済能力がある前提での選択肢です。ただし、もし配偶者に安定した収入があり、その収入で審査基準を満たせる場合など、限定的な可能性はゼロではありません。

リースバック

リースバックは、自宅を投資家や不動産会社などの第三者に一旦売却し、その後、その買主と賃貸借契約を結び、家賃を支払う形でそのまま住み続ける方法です。

住宅ローンの問題を解決しつつ、住み慣れた自宅を離れる必要がない点がリースバックの最大のメリットです。

さらに、自宅を売却することでまとまった資金(住宅ローン完済後の残金があれば)を確保でき、生活再建や新たな資金計画に充てられる可能性があります。

ただし、リースバックには以下の注意点があります。

  • 家賃が発生する
    売却後は家賃を支払う義務が生じるため、その家賃が継続的に支払える収入が必要です。
  • 所有権を失う
    自宅の所有権は買主の手に移るため、将来的には再度買い戻す「買戻し特約」などを設定しない限り、自宅を失った状態になります。
  • 条件が限られる
    買主が見つかるかどうかは、物件の価値や家賃設定、市場状況によります。リースバックに対応できる専門の業者や投資家を探す必要があります。
  • 通常の任意売却より売却価格が低くなる場合がある
    買主にとっては、賃貸として貸し出すリスクや手間を考慮するため、通常の任意売却よりも売却価格が低めに設定されるケースもあります。

自宅を手放すことも視野に入れた対処法

競売という最悪の事態を避けるために、「任意売却」という有効な選択肢があります。「住み慣れた自宅を手放したくない」と考えるのが自然ですが、自宅を手放すことで住宅ローンの問題を根本的に解決する方法もあります。

任意売却で残債務を減らす

任意売却とは、住宅ローンを滞納している状況で、債権者(金融機関など)の合意を得て、市場で自宅を売却する仕組みです。特にリストラで再就職に時間がかかりそう、あるいは自宅の維持自体が困難な状況になった場合、この任意売却は非常に有効な解決手段となります。

任意売却は通常、ローンの残高が不動産の売却価格を上回る「オーバーローン」の状態で利用されます。売却代金は直接債権者に渡り、ローン返済に充当されますが、残債が残る場合は債権者と協議し、無理のない分割返済計画を立てることが可能です。

任意売却の流れは、以下の通りです。

ステップ内容
①専門業者への相談・無料査定任意売却は、通常の不動産売却と異なる手順で進めるため、任意売却の実績が豊富な不動産会社へ査定を依頼します。
初回の相談時に、残債務や競売の期日などを確認します。
②媒介契約の締結任意売却専門の不動産会社と媒介契約(専任媒介など)を締結します。
これにより、不動産会社があなたの代理人として売却活動や債権者との交渉を進める権限を得ます。
③債権者との交渉・売却活動の開始専門業者が、あなたに代わって債権者(金融機関など)に任意売却の申し入れを行い、売却価格や残債の返済方法について交渉します。
債権者の同意が得られ次第、不動産会社は買い手を探すための売却活動を開始します。
プライバシー保護も考慮されます。
④買い手の探索と価格交渉購入希望者が見つかれば内見を調整し、価格交渉を行います。
提示された価格が債権者の最低売却価格を下回る場合、再承認が必要になることもあります。
⑤売買契約の締結買主、売却価格、引き渡し時期などの条件に合意し、債権者の最終承認も得られたら、買主との間で不動産売買契約を締結します。
契約手付金は原則として債務の弁済に充当されます。
⑥残債に関する合意形成売却代金でローンを全額返済しきれない場合、残ったローンの返済方法について、改めて債権者と具体的な話し合いを行います。
専門業者があなたの状況に応じた無理のない月々の返済額を債権者に提案し、合意形成を目指します。
⑦物件の引き渡し・決済買主から残代金の支払いを受け、自宅の引き渡しを行います。金融機関や司法書士も立ち会い、売却代金からローン残債の弁済、任意売却にかかる諸費用(仲介手数料、抵当権抹消費用など)の精算が行われます。
司法書士が所有権移転登記なども代行します。
⑧新しい生活のスタート物件の引き渡しと決済が完了したら、新しい住居へ引っ越し、残債の返済計画に基づき、生活を再スタートします。

任意売却は、債権者(金融機関)の同意をもらうことが、最大の難関です。

時には、弁護士の力も借りながら、債権者に対して粘り強く交渉を続けてくれる不動産会社を選ぶことが大切です。

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まとめ

リストラや失業という予期せぬ事態で住宅ローンの支払いが困難になったとしても、滞納が始まる前に借り入れ先の金融機関へ速やかに連絡し、返済条件の変更(リスケジュール)を相談することが大切です。

同時に、再就職までの生活を支える失業保険や住居確保給付金などの公的支援を積極的に活用し、家計の徹底的な見直しと節約を実行しましょう。

もし自宅の維持が難しいと判断した場合でも、競売を回避し、より有利な条件で売却できる「任意売却」という選択肢があります。

センチュリー21中央プロパティーは、任意売却に関する豊富な知識と実績を持っています。

弁護士相談費用や仲介手数料など、売却に伴う費用は一切ございません。住宅ローンでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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