突然の病気や予期せぬ怪我で、これまで順調だった生活が一変し、住宅ローンの返済が困難になることは誰にでも起こりえます。
給料が減ってしまったり、治療費がかさんだりする中で、「このままでは家を失ってしまうのでは…」と不安を感じている方もいるかもしれません。
この記事では、病気や怪我で住宅ローンが払えなくなった場合に、まず確認すべきことから、頼れる相談先、そして最悪の事態を避けるための具体的な対策までを詳しく解説します。
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目次
団信でローン返済が免除されるケース
団体信用生命保険(団信)で住宅ローンの返済が免除される条件は、加入している団信の種類や付帯している特約によって異なります。
主な免除条件は以下の通りです。
- 団信の基本保障による免除
- 特約による免除(三大疾病保障など)
1. 団信の基本保障による免除
- 死亡:住宅ローンの契約者が亡くなった場合。
- 高度障害状態:契約者が保険会社所定の高度障害状態と認定された場合。高度障害の認定基準は、両眼の永続的な失明、言語または咀嚼機能の永続的な喪失、中枢神経系や精神に著しい障害が残り終身介護が必要な状態、両手足の機能の永続的な喪失など、かなり重い障害が一般的です。
2. 特約による免除(三大疾病保障など)
多くの団信には、基本保障に加えて特約を付帯することで、より幅広い病気やケガにも対応できます。代表的なものに「三大疾病保障特約」があります。
三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)
- がん(悪性新生物):一般的に、医師によって所定の悪性新生物と診断確定された場合に保障が適用されます。ただし、上皮内がんや一部の皮膚がんは対象外となることがあります。また、ローン実行日から90日以内のがん診断は免責となる場合があります。
- 急性心筋梗塞:発病後、60日以上労働の制限を必要とする状態が継続した場合や、所定の手術を受けた場合などに保障が適用されることが多いです。
- 脳卒中:発病後、60日以上麻痺や言語障害などの後遺症が継続した場合や、所定の手術を受けた場合などに保障が適用されることが多いです。
その他の疾病・障害特約
- 「八大疾病保障」や「全疾病保障」など、三大疾病以外の高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎などの疾病も保障対象となる特約もあります。
- 就業不能保障特約では、病気やケガで長期間(例えば180日以上)就業不能状態が継続した場合に保障されることがあります。この場合も、免責期間(例:60日や90日)が設定されていることが多いです。
団信でローンが免除されないケースや注意点
- 告知義務違反:
団信加入時の告知内容に虚偽があった場合、保険金が支払われないことがあります。 - 免責期間内の発症:
特約によっては、保障開始から一定期間内(例:90日以内)に診断されたがんなどは保障対象外となることがあります。 - 保障対象外の疾病や状態:
精神疾患など、特約の種類によっては保障対象外となる疾病や、所定の条件を満たさない障害状態は免除の対象になりません。 - 自殺:
保障開始から1年以内(一部団信では3年以内)の自殺は免責となる場合があります。 - 団信未加入:
そもそも団信に加入していない場合は、当然ながらローン免除の対象になりません。
団信の保障内容は金融機関や保険商品によって細かく異なりますので、ローン免除の対象となるか否かは、加入している会社に確認してみましょう。
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病気で住宅ローンが払えない場合の相談先
病気や怪我で住宅ローンが払えなくなるのは、非常に心細い状況ですよね。どこに相談すればいいのか、何を話せばいいのか、途方に暮れる方も少なくないでしょう。
ここでは、病気で住宅ローン返済が困難になった際に、どのような相談先に、どのような順番で相談していくのが最適か、その理由とポイントを解説します。
ステップ1:最優先は「住宅ローンを借りている金融機関」
まず最初に、そして最も重要な相談先は、あなたが住宅ローンを借り入れている金融機関(銀行、信用金庫、フラット35の窓口など)です。
金融機関は、あなたのローン契約の債権者です。返済条件の変更(リスケジュール)、一時的な返済猶予、金利の見直しなど、直接的な解決策を提供できる立場にあります。
病名、治療状況、それによる収入の減少幅、いつ頃まで影響が出そうかなど、現在の状況と今後の見通しを具体的に伝えましょう。
「一時的に返済額を減らしたい」「数ヶ月だけ返済を待ってほしい」など、あなたなりの希望を伝えると、金融機関も対応策を検討しやすくなります。
診断書や収入がわかる書類など、相談時に必要な書類を事前に確認し、準備しておくとスムーズです。
ステップ2:自宅売却の可能性を探る「不動産会社(任意売却専門業者を含む)」
金融機関との話し合いを進める中で、返済条件の変更が難しい場合や、そもそも自宅の売却も視野に入れている場合は、次に不動産会社に相談することを検討しましょう。
特に、ローンの残債が残っているケースでは、任意売却の専門知識を持つ不動産会社が適しています。
現在の自宅がどのくらいの価格で売却できるのか、客観的な査定を受けることで、具体的な選択肢が見えてきます。
金融機関との交渉が進まない場合や、返済が困難な状況が続く場合、競売を避けて自宅を売却できる「任意売却」という方法があります。
一般の不動産会社では対応が難しいケースもあるため、任意売却に特化した業者に相談することで、債権者との交渉も含め、スムーズな売却を目指せます。
複数の会社に査定を依頼し、比較検討することをおすすめします。
ステップ3:法的な解決を検討する「弁護士」または「司法書士」
上記の相談先での解決が難しい、あるいは債務全体の問題が複雑で法的な手続きが必要になる可能性がある場合に、相談を検討するのが弁護士または司法書士です。
債務整理(自己破産、個人再生など)は法的な手続きであり、専門的な知識と経験が不可欠です。住宅ローン以外の借り入れも多く、債務全体が膨らんでいるようなケースでは、法的な債務整理が最も有効な解決策となる場合があります。
多くの弁護士・司法書士事務所では、初回無料相談を実施しています。まずはどのような選択肢があるか探るためにも、相談してみると良いでしょう。
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病気で住宅ローンが払えない場合の対処法
住宅ローンの返済が困難になっても、必ずしも自宅を手放さなければならないわけではありません。住み慣れた家に住み続けるための選択肢も検討しましょう。
個人再生(住宅ローン特則の活用)
もし住宅ローン以外の多重債務も抱えているのであれば、個人再生という法的手段があります。
これは、裁判所を介して住宅ローン以外の借金を大幅に減額(最大8割程度)し、残った借金を数年かけて返済していく手続きです。
この際、「住宅ローン特則」を利用することで、住宅ローンを整理対象から除外し、家を手放すことなく他の借金だけを整理できる可能性があります。
リースバック
自宅を売却し、同時に売却先と賃貸借契約を結んで、そのまま住み続ける方法です。
まとまった資金を得て住宅ローンを完済しつつ、家賃を支払って居住を継続できます。将来的に買い戻しの特約を付けることも可能です。
ただし、売却価格や家賃設定の条件によっては、メリットが少ない場合もあるため、慎重な検討が必要です。
親族間売買
信頼できる親族(親、子、兄弟姉妹など)に自宅を買い取ってもらい、ご自身はそのまま住み続ける方法です。親族間の合意に基づき、柔軟な条件設定が期待できます。
ただし、税務上の注意点や、親族がローンを組む場合の審査など、専門家への相談が不可欠です。
これらの方法は、いずれも複雑な手続きを伴うため、弁護士、司法書士、または私たち任意売却の専門家など、信頼できる専門家と連携しながら進めることが成功の鍵となります。
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生活再建を支える公的支援も確認しよう
長期入院や療養が続き、働けない期間が長引く場合でも、生活を立て直し、社会復帰を目指すための公的支援制度が用意されています。
- 傷病手当金:
会社員の方が病気や怪我で会社を休み、給料が支払われない場合に、健康保険から支給される所得補償です。生活費の大きな助けとなります。
【参考】 詳細は全国健康保険協会「傷病手当金」をご参照ください。 - 生活保護:
どうしても生活に困窮し、他の手段で自立できない場合の最後のセーフティネットです。お住まいの地域の福祉事務所にご相談ください。 - 障害年金:
病気や怪我により、日常生活や労働に支障をきたすほどの障害が残った場合に支給される年金です。障害の程度や年金加入状況によって受給額は異なりますが、長期的な生活の支えとなり得ます。
【参考】 詳細は政府広報オンライン「障害年金の制度をご存じですか?がんや糖尿病など内部疾患の方も対象です」をご参照ください。
これらの制度は、医療費や生活費の負担を軽減し、精神的なゆとりを取り戻す上で非常に有効です。ご自身の状況に合った制度がないか、積極的に情報収集を行いましょう。
最終手段としての任意売却
上記の対処法を試しても、やはり返済が困難な場合、あるいはご自身やご家族の負担を軽減するために、自宅の売却を選択することも重要な決断です。この際、最もお勧めしたいのが「任意売却」です。
任意売却とは、住宅ローンの返済が難しくなった際に、金融機関(債権者)の合意を得て、市場価格に近い価格でご自宅を売却する方法です。裁判所の競売手続きとは異なり、通常の不動産売買に近い形で手続きが進められます。
任意売却は、住宅ローンを滞納した結果待ち受ける「競売」という最悪の事態を回避し、経済的な再出発を支援するための有効な手段です。
金融機関から督促状が届き始めた、あるいは返済を数ヶ月滞納してしまったという状況であれば、手遅れになる前に、ぜひ私たち任意売却の専門家にご相談ください。
時間との勝負となるケースも多いため、早期のご相談が、より良い解決へとつながります。
センチュリー21中央プロパティーは、任意売却に関する豊富な知識と実績を持っています。債務整理に強い常駐の社内弁護士が、お客様の状況を丁寧にヒアリングし、期限までの確実な任意売却を実現します。
弁護士相談費用や仲介手数料など、売却に伴う費用は一切ございません。
住宅ローンでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。