住宅ローンの返済が免除される主なケースは、団体信用生命保険(団信)による保障と、一部の自然災害特約です。
団信では契約者の死亡や高度障害、がん・三大疾病などでローン残債務が完済されることが一般的です。
この記事では、住宅ローンの返済が困難になった場合の返済免除の条件や対処法について、解説します。
【実績5,000件以上】不動産会社×弁護士が任意売却をサポート! ≫
目次
住宅ローンの返済が免除になるのはどんな時?
住宅ローンの返済が免除になる主な要件は、以下の2つです。
- 団体信用生命保険(団信)による免除
- 自然災害による住宅ローン免除特約(任意加入)
①団体信用生命保険(団信)による免除
団体信用生命保険(団信)による免除は、住宅ローンの契約者が死亡したり、高度障害状態になったりした場合に、保険会社がローンの残債務を完済する仕組みです。
特約で、がんや三大疾病(急性心筋梗塞・脳卒中)などの特定の病気になった際も返済を免除される場合があります。
団信は契約時のみ加入可能で、健康状態の審査や金利の上乗せがある場合もあります。
団信には「夫婦連生団信」もあります。
夫婦連生団信とは、夫婦が共同で借り入れを行う住宅ローンにおいて、夫婦のどちらか一方に万が一の事態(死亡や高度障害など)が起こった際に、その住宅ローンの残債務が全額免除される団体信用生命保険のことです。
②自然災害による住宅ローン免除特約(任意加入)
自然災害による住宅ローン免除特約は、地震や台風などの自然災害で自宅が全壊・半壊した場合に、ローンの返済が免除される特約です。
一定期間の返済免除型や、残高の一部免除型などがあります。
この特約も住宅ローン契約時のみ付帯でき、免除額が課税対象となる可能性もあります。
【実績5,000件以上】不動産会社×弁護士が任意売却をサポート! ≫
住宅ローンが免除されないケース
ここまで住宅ローンの返済が免除される可能性について解説してきましたが、正直なところ、住宅ローンが「免除」されるケースは限られています。
住宅ローンの返済が免除されないケースとして、主に以下のような要件があります。
- 病気やケガでも、団信の対象外・条件を満たさない場合
- 収入減少や失業による返済困難
- 離婚による返済困難
- 競売開始決定後の状況
①病気やケガでも、団信の対象外・条件を満たさない場合
病気やケガをしたからといって、必ずしも団信で免除されるわけではありません。
団信の疾病保障特約は、「一定期間の就業不能」や「特定の疾病と診断される」といった具体的な条件が設けられています。
例えば、数ヶ月の入院で一時的に仕事ができない状態になっても、団信の定める「就業不能」期間に満たなかったり、保障対象外の病気だったりすれば、ローン免除の対象にはなりません。
また、そもそも団信に加入していなければ、病気やケガ、死亡のいずれのケースでも住宅ローンの返済は免除されません。
特に、住宅金融支援機構の【フラット35】など、団信加入が任意となっているローンを利用されている方は注意が必要です。
万が一の際は、残されたご家族に返済義務がそのまま引き継がれます。
②収入減少や失業による返済困難
リストラや減給、会社の倒産、自営業の業績不振などで収入が減り、住宅ローンの返済が苦しくなるケースは非常に多いです。
しかし、収入減少や失業は、団信の保障対象外です。
団信はあくまで契約者の死亡や特定の健康状態を保障するものであり、経済的な理由による返済困難は免除の対象になりません。
このような状況では、金融機関に相談して返済条件の変更(期間延長や元金据え置きなど)を交渉するのが第一歩です。
しかし、それも一時しのぎに過ぎず、根本的な解決にならないこともあります。
このような場合は、後の章で解説する「任意売却」など、別の問題解決手段を検討しましょう。
③離婚による返済困難
夫婦で力を合わせて住宅ローンを返済していたものの、離婚によって一方が家を出ていき、残った側が一人で返済を抱えきれなくなるケースも少なくありません。
残念ながら、離婚も団信の保障対象外です。
特に、夫婦のどちらかが連帯債務者や連帯保証人になっている場合、離婚してもその債務や保証の責任は完済まで残ります。
例えば、夫が主債務者で妻が連帯債務者の場合、離婚後に夫が返済できなくなれば、妻に返済義務が生じます。
離婚の際には、住宅ローンの処理をきちんと話し合い、必要であれば専門家を交えて解決策を探る必要があります。
④競売開始決定後の状況
住宅ローンの返済が滞ると、最終的には金融機関によって自宅が競売にかけられてしまいます。
競売は、裁判所が強制的に自宅を売却する手続きです。
競売は、市場価格より大幅に低い価格で売却されるため、ローン残債務が多く残る可能性が高まります。
また、プライバシーが守られにくく、精神的な負担も大きくなります。
競売の申し立てが行われる前に、何らかの手を打つことが極めて重要です。
【実績5,000件以上】不動産会社×弁護士が任意売却をサポート! ≫
住宅ローンが免除されない場合の対処法:任意売却とは
任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった際、債権者(金融機関)の合意を得て、一般市場でご自身の意思で自宅を売却する手続きのことです。
通常、住宅ローンの返済が滞ると、最終的に金融機関は担保であるご自宅を差し押さえ、裁判所の管理のもと強制的に売却する「競売(けいばい)」の手続きが進められます。
任意売却は、競売と比較してメリットが多いため、住宅ローンの返済が厳しい場合は、検討してみると良いでしょう。
任意売却のメリット
競売と比べて、任意売却には以下のようなメリットがあります。
- 市場価格に近い価格での売却が可能
競売では市場価格の5割~8割~程度で売却されることも珍しくありませんが、任意売却であれば一般の不動産市場で販売するため、市場価格で売却が可能です。
これにより、売却後のローン残債務を最小限に抑えることができます。 - 残債務の減額交渉や、引っ越し費用の捻出も可能になるケースがある
売却後もローン残債務が残る場合、その残債務について債権者と無理のない返済計画を交渉できます。
また、交渉次第では、新生活を始めるための引っ越し費用(立ち退き料)を売却代金の中から捻出してもらえるケースもあります。
これは競売ではまず実現できない、任意売却ならではの大きなメリットです。 - ローン契約者の意思が尊重されやすい
競売は、裁判所主導で手続きが進むため、ローン契約者の意見は全く反映されません。
一方で任意売却は、ローン契約者の意思を尊重しながら、不動産会社が債権者である金融機関との交渉を代行してくれるため、精神的な負担も軽減できます。 - プライバシーに配慮した売却活動が可能
競売は情報が公開されるため、ご近所や親戚などに知られてしまいます。
任意売却は通常の不動産取引と同様に進めるため、プライバシーを守りやすいのが特徴です。
【実績5,000件以上】不動産会社×弁護士が任意売却をサポート! ≫
任意売却と住宅ローン免除の違いに注意
任意売却 | 住宅ローン免除 | |
自宅の所有権 | 手放すことになる | そのまま居住が可能 |
住宅ローンの残債務 | 継続して返済が必要 | ゼロになり、返済義務自体がなくなる |
まず「免除」とは、文字通り住宅ローンの残債務が法的に「ゼロ」になることを指します。
例えば、団信に加入していて、もし契約者が亡くなったり、団信が定める高度障害状態になったりした場合、または特約でがんなどの三大疾病に罹患し、所定の条件を満たした場合、保険金によってローン残債務が完済されます。
この場合、あなたは一切ローンの返済義務を負うことなく、その住まいに住み続けることが可能です。
それに対して「任意売却」は、住宅ローンの返済が困難になった際に、ご自身の意思で自宅を売却し、売却代金でローンの残債務を支払い、残ってしまったローンを「整理する」ための現実的な手段です。
残念ですが、自宅は手放すことになります。
任意売却は、あくまで自宅を売却することで債務を可能な限り減らし、残ったローンについては、金融機関と交渉して無理のない返済計画を立て直すことを目的とします。
ローン自体が「ゼロ」になるわけではありませんが、競売よりも高い価格で売却できる可能性が高く、残債務を減らして再出発するための有効な方法です。
【実績5,000件以上】不動産会社×弁護士が任意売却をサポート! ≫
まとめ
住宅ローンの免除は、ご自宅を守る手段として非常に有効ですが、残念ながらすべてのケースで住宅ローンが「免除」されるわけではありません。特に、収入減少や離婚といった経済的な理由での返済困難は、団信の対象外です。
センチュリー21中央プロパティーは、住宅ローンの滞納でお困りの方に、任意売却のサポートを行っています。
債務整理に強い弁護士が、圧倒的な交渉力で、期限までに確実な任意売却を実現しあなたの生活再建をサポートします。
弁護士相談費用や仲介手数料など、売却に伴う費用は一切ございません。
「病気や事故で団信が使えなかったが、返済が苦しい」「リストラや転職で収入が減少した」「離婚で自宅の維持が困難になった」といった様々なご相談に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。